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就業規則の副業規定と業務委託

会社員のウエディングプランナーが業務委託で副業をするときに、勤務先の就業規則の副業規定で確かめる条文を整理した記事のアイキャッチ画像

この記事の概要|読了目安:約19分

厚生労働省が公表しているモデル就業規則は、副業・兼業の条文の解説の中で、「副業・兼業」には他の会社に雇用される形だけでなく、事業主となって行うものや、請負・委託・準委任契約により行うものも含むことに留意が必要だと述べています。つまり、会社員のウエディングプランナーが週末に業務委託で施行を受ける形も、勤務先の副業規定の対象になります。

ただし、副業規定の対象になることと、副業が禁止されることは同じではありません。厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」は、労働者が労働時間以外の時間をどう使うかは基本的に労働者の自由であり、会社が制限できるのは限られた場合だと整理しているからです。

そこでこの記事では、モデル就業規則第70条とガイドラインをもとに、勤務先の副業規定のどの条文を確かめればよいのかを示します。そのうえで、会社が制限できる4つの場合を婚礼の仕事に当てはめ、どこで判断が分かれやすいのかを整理します。

■ この記事でわかること

  • 業務委託で施行を受ける形も、勤務先の副業規定の対象になる
  • モデル就業規則第70条は「原則として認め、例外として制限する」形で、制限できるのは4つの場合
  • 就業規則は副業・兼業の章だけでなく、服務規律・秘密保持・懲戒の条文や別規程もあわせて確かめる
  • 婚礼の副業では、土日の施行の重なり、同業の式場での競業、見積や顧客の情報の扱いで判断が分かれやすい
  • 届出には、会社が4つの場合にあたるかを判断するための情報を書く

業務委託も副業

副業という言葉からは、別の会社でアルバイトをする姿を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、厚生労働省「モデル就業規則」(令和7年12月版)の91ページは、第70条の解説で、事業主となって行うものや請負・委託・準委任契約により行うものも「副業・兼業」に含むと明記しています。

厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」Q&A(令和4年7月13日改定版)も、同じ考え方を示しています。Q&Aの問4-2は、企業が副業・兼業の方針を公表するときの対象について、請負・委託・準委任契約により行うものを公表することも考えられるとし、そこにはフリーランス、独立、起業なども含まれると注記しています。

したがって、「雇われるわけではないから届け出なくてよい」とは考えないほうが安全です。勤務先の就業規則に届出や許可の定めがあるなら、業務委託でプランナーの仕事を受ける場合も、その手続の対象になると読むのが自然だからです。

副業の相手先がどこであっても、この扱いは変わりません。弊社は「フリープランナーの始め方!3つの契約スタイルとその違い」で、婚礼施設と直接契約する方法、プラットフォーム上で契約する方法、人材エージェント会社を経由する方法の3つを説明しました。どの方法で仕事を受けても、勤務先から見れば他の会社等の業務に従事していることに変わりはないため、副業規定の確認は必要です。

✔ ここがポイント

  • 業務委託(請負・委託・準委任)も「副業・兼業」に含まれる
  • 婚礼施設と直接契約・プラットフォーム・人材エージェント経由のどれで受けても、副業規定の確認は必要

モデル就業規則の副業規定

では、副業規定には何が書かれているのでしょうか。多くの会社の就業規則は、厚生労働省のモデル就業規則を下敷きにしています。そのため、モデル就業規則第70条の形を知っておくと、自分の勤務先の条文と比べることができます。

モデル就業規則第70条は、2つの項で構成されています。第1項は、労働者は勤務時間外において他の会社等の業務に従事することができると定めています。第2項は、会社は労働者からの届出に基づき、次の4つのいずれかに該当する場合には副業を禁止または制限できると定めています。

号 制限できる場合
第1号 労務提供上の支障がある場合
第2号 企業秘密が漏洩する場合
第3号 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
第4号 競業により、企業の利益を害する場合

この条文の骨格は、「原則として認め、例外として制限する」という順番です。ガイドラインの8ページは、裁判例において例外的に副業の禁止や制限が認められてきたのは、この4つの場合だと説明しています。モデル就業規則の93ページも、会社が就業規則の規定を拡大解釈して、必要以上に副業を制限しないよう求めています。

一方で、手続の形は会社によって違います。モデル就業規則は届出制ですが、許可制を採っている会社もあれば、副業を禁止する条文を残している会社もあります。ガイドラインの6ページは、禁止や一律許可制にしている企業に対して、副業が自社の業務に支障をもたらすかどうかを精査したうえで、原則として認める方向で検討することを求めています。ただし、これは企業に向けた指針であり、個々の会社の就業規則が自動的に書き換わるわけではありません。

✔ 会社が制限できる4つの場合

  • 第1号 労務提供上の支障がある場合
  • 第2号 企業秘密が漏洩する場合
  • 第3号 会社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合
  • 第4号 競業により、企業の利益を害する場合

自社の規定の確かめ方

モデル就業規則と比べるには、まず勤務先の条文そのものを手元に置く必要があります。就業規則は、見せてもらえるかどうかを会社が選べる書類ではありません。

労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者に対して、就業規則を作成し、行政官庁に届け出ることを義務づけています。さらに同法第106条は、使用者が就業規則を、作業場の見やすい場所への掲示や備え付け、書面の交付などの方法で労働者に周知しなければならないと定めています。したがって、就業規則の閲覧を求めることは、労働者として当然の確認です。

就業規則を開いたら、副業・兼業という章だけでなく、次の箇所もあわせて読んでください。副業に関する定めが、別の章に分かれて書かれていることがあるからです。

読む箇所 確かめる中身
副業・兼業の章 届出制か許可制か、禁止か
服務規律・遵守事項 他社業務への従事、兼職の制限
秘密保持の条文 秘密として扱う情報の範囲
懲戒の条文 無断の兼業が懲戒事由に入っているか
別規程・様式 副業の届出書や申請書の書式

勤務先が小規模で、常時10人に満たない場合には、就業規則の作成義務がありません。その場合は、入社時に受け取った労働条件通知書や雇用契約書に、兼業に関する定めがないかを確かめます。労働契約法第7条は、合理的な労働条件が定められた就業規則を周知していた場合、労働契約の内容はその就業規則によると定めています。一方で、就業規則と異なる条件を個別に合意していた部分は、その合意が優先されます。そのため、契約書に個別の定めがあるかどうかも見落とさないでください。

☑ チェックリスト

  • 副業・兼業の章:届出制か許可制か、禁止か
  • 服務規律・遵守事項:他社業務への従事、兼職の制限
  • 秘密保持の条文:秘密として扱う情報の範囲
  • 懲戒の条文:無断の兼業が懲戒事由に入っているか
  • 別規程・様式:副業の届出書や申請書の書式
  • 常時10人に満たない勤務先の場合:労働条件通知書や雇用契約書の兼業に関する定め

労務提供上の支障

条文を手元に置いたら、次は自分の副業が4つの場合のどれかにあたるかどうかを考えます。婚礼の仕事で最も判断が分かれやすいのは、第1号の労務提供上の支障です。

判断の出発点として押さえておきたいのは、業務委託の場合、本業と副業の労働時間は通算されないという点です。ガイドラインの9ページは、労働基準法第38条第1項による労働時間の通算について、労働基準法が適用されない場合、たとえばフリーランスや独立、起業などの場合には、その時間は通算されないと示しています。

しかし、通算されないことは、何時間働いてもよいという意味ではありません。ガイドラインの9ページは続けて、これらの場合においても、過労等により業務に支障を来さないよう、申告等により就業時間を把握し、長時間にならないよう配慮することが望ましいと述べています。つまり、法律上の時間管理から外れても、第1号の「労務提供上の支障」という判断の物差しは残ります。

婚礼の副業で、この物差しが問われる場面は2つあります。1つは、本業も婚礼施設である場合です。施行が集中する土日に本業のシフトが入るため、副業の施行が重なれば、どちらかの労務の提供に支障が出ます。もう1つは、本業が平日勤務の別業種である場合です。この場合は日程が重ならない一方で、平日の勤務に加えて週末に打合せや施行が入るため、休みのない週が続きやすくなります。

モデル就業規則の93〜94ページに掲載されている裁判例は、この判断の分かれ目を示しています。東京都私立大学教授事件(東京地判平成20年12月5日)では、副業が夜間や休日に行われ、本業への支障が認められないとして、懲戒解雇が無効とされました。一方で、小川建設事件(東京地決昭和57年11月19日)では、毎日6時間にわたる深夜の就労が、労務の誠実な提供に支障を来す蓋然性が高いとして、解雇が有効とされました。どちらの事案も、副業の有無ではなく、本業への影響の程度で判断されています。

このため、副業の時間を自分で数えておくことが、第1号への備えになります。業務委託の時間を数える手順は、弊社の「フリープランナーの単価と実質時給」で示しました。移動や準備を含めた拘束時間を把握していれば、勤務先に説明するときにも、具体的な数字で話すことができます。

✔ ここがポイント

  • 業務委託の時間は本業と通算されないが、第1号「労務提供上の支障」の判断は残る
  • 裁判例は、副業の有無ではなく本業への影響の程度で判断している
  • 移動や準備を含めた拘束時間を把握しておくと、勤務先に具体的な数字で説明できる

同業の式場と競業

本業が婚礼施設の社員である場合には、第4号の競業も避けて通れません。副業の委託元が同じ婚礼施設であれば、業種も職種も同じになるからです。

とはいえ、同業であれば直ちに副業が認められないわけではありません。ガイドラインの7ページは、競業避止義務は使用者の正当な利益を不当に侵害してはならないことを内容とする義務であるとしたうえで、正当な利益が侵害されない場合には、同一の業種・職種であっても副業を認めるべき場合も考えられると述べています。

問題は、何が「正当な利益の侵害」にあたるかです。この点について、ガイドラインは婚礼に即した基準を示していません。そのため、ここから先は条文の考え方を婚礼に当てはめた整理になります。婚礼施設の場合、同じ新郎新婦を取り合う関係にあるかどうかが、判断の中心になると考えられます。たとえば、本業の施設と副業先の施設が同じ商圏にあり、同じ価格帯の婚礼を扱っている場合には、競合の度合いが高いと見られやすくなります。反対に、地域や婚礼の形態が大きく異なる場合には、競合の度合いは低いと説明しやすくなります。

役職も判断に影響します。モデル就業規則の94ページは、管理職にある従業員が競業他社の取締役に就任したことが懲戒解雇事由に該当するとされた橋元運輸事件(名古屋地判昭和47年4月28日)を掲載しています。支配人やマネージャーのように、自社の経営情報に触れる立場にある人ほど、同業への関与は厳しく見られると考えておくほうが実態に合います。

なお、競業避止は、在職中の義務と退職後の義務を分けて考える必要があります。この記事が扱っているのは、在職中の副業についてです。退職後の制約は、就業規則や誓約書の別の条文で定められていることが多いため、それぞれ確かめてください。

見積と顧客の情報

同業の施設で副業をする場合、競業とあわせて問題になるのが第2号の企業秘密です。婚礼施設の社員は、日常の業務の中で、他社に知られると不利になる情報に触れているからです。

ガイドラインの7ページは、労働者は使用者の業務上の秘密を守る義務を負っていると述べています。そのうえで、企業に対して、副業を行う労働者に秘密となる情報の範囲を注意喚起することを求めています。つまり、何が秘密にあたるのかは、本来は会社の側が示すべきものです。

婚礼の現場で秘密になりやすい情報には、次のものがあります。

  • 見積の割引の幅
  • 提携業者との取引条件
  • 原価
  • 成約率などの営業の数字
  • 新郎新婦や列席者の個人情報

こうした情報を副業先で使うことは、第2号に直接あたります。さらに、同業の施設で働くこと自体が、情報を持ち出していないかという疑いを招きやすい点にも注意が必要です。

モデル就業規則の94ページは、古河鉱業事件(東京高判昭和55年2月18日)を掲載しています。この事案で裁判所は、労働者は信義則により使用者の業務上の秘密を守る義務を負うとしたうえで、会社が機密漏洩防止に特段の配慮をしていた経営計画を複製・配布した労働者の懲戒解雇を有効と判断しました。

したがって、同業での副業を届け出るときには、秘密の範囲を自分から確認しておくことが有効です。どの情報を副業先で使わないのかを先に言葉にしておけば、会社は第2号にあたるかどうかを判断しやすくなります。

! 注意

  • 見積・取引条件・営業の数字・個人情報を副業先で使うことは、第2号に直接あたる
  • 同業の施設で働くこと自体が、情報を持ち出していないかという疑いを招きやすい

名誉・信用とSNS

第3号の名誉・信用は、4つの中で最も範囲がつかみにくい号です。ガイドラインの8ページは、誠実義務に基づき、労働者は使用者の名誉・信用を毀損しないなど誠実に行動することが要請されると述べていますが、具体的な行為までは列挙していません。

婚礼の副業でこの号に関わりやすいのは、情報の発信です。フリープランナーとして仕事を得るために、SNSで施行の様子や実績を発信する人は少なくありません。その発信が、本業の施設の社員であることと結び付けて読まれる場合には、本業の施設の信用に影響します。たとえば、勤務先を明かしたアカウントで、競合する施設での施行を紹介するような発信は、第3号や第4号の観点から問題にされやすいと考えられます。

副業先の施設の側から見ても、この点は同じです。新郎新婦の写真や式の内容を発信するには、副業先の施設と新郎新婦の了解が必要になるからです。発信のルールは、本業の就業規則と副業先との業務委託契約の両方で確かめてください。

雇用か委託かの確認

ここまでの話は、副業が業務委託であることを前提にしてきました。しかし、契約書の名前が業務委託であっても、実態が雇用であれば扱いが変わります。

モデル就業規則の91ページは、労働契約であるか否かは実態に基づいて判断されると述べています。そして、請負であるかのような契約としていても実態は労働契約だと認められる場合には、就労の実態に応じて労働基準法等の規定の適用を受けると注意しています。

実態が雇用と判断されると、労働時間の通算の対象になります。その場合、モデル就業規則の92ページは、会社が確認する事項として、他の使用者との労働契約の締結日や期間、所定労働日と所定労働時間、所定外労働の見込みなどを挙げています。業務委託の場合と比べて、届け出る内容が大きく増えるということです。

そのため、副業先から指示される働き方が、業務委託として説明できる形になっているかを確かめてください。たとえば、出退勤の時刻を細かく指定され、業務の進め方も逐一指示される形であれば、雇用に近いと見られる可能性があります。

! 注意

  • 契約書の名前が業務委託でも、実態が雇用であれば労働時間の通算の対象になり、届け出る内容が大きく増える
  • 出退勤の時刻を細かく指定され、業務の進め方も逐一指示される形は、雇用に近いと見られる可能性がある

届出に書く中身

どの場合にもあたらないと考えられたら、次は届出です。モデル就業規則第70条第2項が届出を前提にしているのは、会社が4つの場合にあたるかどうかを判断する材料を得るためです。したがって、届出に書くべき中身は、会社がその判断に使う情報だと考えると整理しやすくなります。

届出に書く項目 対応する判断
副業先の事業内容 第4号 競業にあたるか
副業で従事する業務の内容 第2号・第4号
契約の形(業務委託であること) 労働時間の通算の要否
稼働する曜日と時間の見込み 第1号 労務提供上の支障
使わない情報と発信の方針 第2号・第3号

表の上の2行は、モデル就業規則の92ページが確認事項として挙げている項目です。残りの3行は、この記事で整理した4つの場合に対応させて加えたものです。勤務先に届出書の様式があれば、その様式に沿って書き、欄が足りない部分を補足として添える形が現実的です。

届け出ることで不利になるのではないかと心配する人もいるかもしれません。しかし、ガイドラインの6ページとモデル就業規則の91ページは、どちらも、副業・兼業に係る相談や自己申告等を行ったことにより不利益な取扱いをすることはできないと明記しています。

✔ ここがポイント

  • 届出には、会社が4つの場合にあたるかどうかを判断するための情報を書く
  • 勤務先に様式があれば様式に沿って書き、足りない部分を補足として添える
  • 相談や自己申告を行ったことによる不利益な取扱いはできないと、ガイドラインとモデル就業規則に明記されている

認められなかった場合

届け出た結果、副業を認められないこともあります。そのときに確かめたいのは、4つの場合のどれにあたると判断されたのかという理由です。

モデル就業規則の93ページが掲載するマンナ運輸事件(京都地判平成24年7月13日)では、運送会社が準社員からのアルバイトの許可申請を4度にわたって不許可にしました。裁判所は、そのうち後の2回については不許可の理由がないとして、慰謝料の支払いを一部認めています。この裁判例から分かるのは、会社が副業を制限するには理由が必要だということです。

一方で、理由を示されたうえで制限された場合には、その理由に対応した条件を出し直す余地があります。たとえば、競業が理由であれば、商圏の重ならない施設や、婚礼施設以外の委託元に絞ることが考えられます。労務提供上の支障が理由であれば、月あたりの施行数に上限を設けることが考えられます。

無断で副業を続けることは勧めません。ガイドラインの8ページは、形式的に就業規則に抵触しても、職場秩序に影響せず、労務提供に支障を生じない程度のものは禁止違反にあたらないとした裁判例を紹介しています。しかし、それは懲戒の有効性が争われた後の判断です。労働契約法第15条も、懲戒が客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当でない場合に無効になると定めているにすぎません。争いになった時点で、本業と副業の両方に負担が生じます。

✔ ここがポイント

  • 認められなかったときは、4つの場合のどれにあたると判断されたのか、理由を確かめる
  • 理由に対応した条件(委託元の絞り込み、月あたりの施行数の上限など)を出し直す余地がある
  • 無断で続けると、争いになった時点で本業と副業の両方に負担が生じる

確定申告との関係

勤務先の規定とは別に、副業には税の手続も伴います。ガイドラインの18ページは、副業で20万円を超える副収入がある場合は、企業による年末調整ではなく確定申告が必要だと述べています。

ただし、国税庁のタックスアンサー「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」は、この基準を、給与所得と退職所得を除く各種の所得金額の合計額が20万円を超える場合と定めています。収入ではなく、経費を差し引いた所得で判断するということです。業務委託の報酬が口座に入ってから手元に残るまでの流れは、弊社の『業務委託の「振込額」と「手取り」の違い』で詳しく扱いました。

副業規定の確認と税の手続は、別々の窓口で進むことになります。前者は勤務先との関係であり、後者は税務署との関係です。どちらか一方を済ませても、もう一方が不要になるわけではありません。

! 注意

  • 確定申告の基準は、給与所得と退職所得を除く各種の所得金額の合計額が20万円を超える場合
  • 副業規定の確認(勤務先)と税の手続(税務署)は別々に進み、一方を済ませても他方は不要にならない

受け入れる施設の側

最後に、副業のプランナーを業務委託で受け入れる婚礼施設の側から、同じ条文を見ておきます。受け入れる側にとっても、相手が勤務先の副業規定を守っているかどうかは無関係ではないからです。

ガイドラインの7ページは、他社の労働者を自社でも使用する場合には、その労働者が他社に対して負う競業避止義務に違反しないよう確認や注意喚起を行うことが考えられると述べています。この記述は雇用する場合を想定したものですが、同業の施設の社員に業務委託で施行を任せる場合にも、同じ観点が当てはまります。依頼する前に、本業の勤務先に届け出ているかを尋ねておけば、後から競業や情報の扱いで問題になる可能性を減らせます。

また、自社の社員の副業について方針を持つことも、受け入れと表裏の関係にあります。ガイドラインの17ページは、企業が副業を許容しているか否か、条件付きで許容している場合はその条件を、自社のホームページ等で公表することが望ましいとしています。他社の社員に業務委託で頼る施設が、自社の社員の副業を一律に禁止していれば、その方針の整合性を問われることになります。

用語解説

用語 意味
副業・兼業 本業以外に仕事をすること。モデル就業規則の解説では、雇用される形のほか、事業主として行うものや請負・委託・準委任契約によるものも含む
就業規則 労働条件や服務規律を定めた会社の規則。常時10人以上の労働者を使用する使用者に作成・届出の義務がある
届出制・許可制 副業の手続の形。届出制は会社に知らせる手続、許可制は会社の許可を得る手続
労働時間の通算 労働基準法第38条第1項により、複数の事業場の労働時間を合計して扱うこと。業務委託の時間は通算されない
競業避止義務 使用者と競合する業務を行わない義務。在職中は、使用者の正当な利益を不当に侵害しないことが内容とされる
秘密保持義務 使用者の業務上の秘密を守る義務。信義則に基づいて労働者が負う
周知 就業規則を掲示、備え付け、書面の交付などの方法で労働者に知らせること。労働基準法第106条が定める

出典一覧

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