新着情報

ブライダルで女性が長く働くことはできるの?

アイボリーの地に墨色の明朝体で「ブライダルで女性が長く働くことはできるの?」「婚礼施設の人手の課題から考える」と書いた題字と、くすんだピンクの円弧、線画のベビーシューズ、プラスワン・プランナーのロゴ

このブログの概要|読了目安:約13分

いつもブログをお読みいただき、ありがとうございます。プラスワン・プランナーを運営する、株式会社永光の高橋龍一です。

本日のブログは、「ブライダルで女性が長く働くことはできるのか」という問いを、皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

経済産業省の資料には、結婚式場業では出産や育児を契機に離職するケースが多いとの記載があります。婚礼施設の経営者や支配人の方にとっては人材の定着の問題であり、ウエディングプランナーの方にとっては、この仕事を続けられるかどうかという自分自身の問題だと思います。

では、ブライダルで女性が長く働ける職場は、どうすれば実現できるのでしょうか。

結論からお伝えすると、ブライダルで女性が長く働くことはできると、私は考えています。ただ、それは一つの婚礼施設が育休などの制度を整えるだけでは実現しません。なぜならば、社員が休んだときに代替要員を確保できなければ、残った社員に業務が集中し、制度があっても休みにくく、戻りにくい職場になるからです。

しかも、代替要員を確保できない原因は、採用できる人材の量だけではありません。生産年齢人口の減少に加えて、代替要員には土日祝日の勤務と即戦力の経験が求められること、一貫担当制では顧客の情報が一人のウエディングプランナーに集まること、そして結婚式はやり直しがきかないことが重なっています。だからこそ、個人・会社・業界・行政・政治のそれぞれに何ができるかを、分けて考える必要があります。

このテーマは、2024年12月1日のブログ「女性プランナーの活躍を支援する ~ 婚礼施設が取り組むべきこと」で、婚礼施設が整えるべき働き方と支援体制として取り上げました。

2025年10月6日のブログ「ブライダル業界におけるワークライフバランスの本質」でも、経営者や管理者には「働き手の善意に依存しない仕組み」を整える責任がある、と書きました。なぜならば、従業員が自分の時間を削って支える状態を、経営として放置できないからです。しかし、その体制を整えようとしても、欠員が出たときに代替要員を確保できないという課題が残ります。今回は、なぜ代替要員を確保できないのかを、論点ごとに考えてみたいと思います。

育休の代替要員は多くの職場で見つかっていない

休む社員の代替要員を立てられなければ、その業務は残った社員が担うことになります。皆さんの職場では、どうでしょうか。

この状況は、婚礼に限ったことではありません。厚生労働省の委託調査「令和4年度 仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 企業調査報告書」によると、半年以上の育休を取る社員がいる職場の対応は、「周囲の労働者の業務分担の見直し」が45.4%で最も多く、「代替要員(新規雇い入れ・派遣の受け入れ)を確保」は23.2%との記載があります。この数字は、育休を取った社員がいない企業を除いて集計したものです。要は、欠員が出ても代替要員は立てずに、残った社員で業務を分け合っている職場が最も多いということです。

育休の欠員への職場の対応周囲の労働者の業務分担の見直し45.4%代替要員を確保(新規雇用・派遣)23.2%社内の配置転換等で代替要員を確保18.1%取得者・利用者がいない企業を除く(n=2,535)。主な回答のみ厚生労働省委託「令和4年度 仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 企業調査報告書」より作成
育休の欠員への職場の対応周囲の労働者の業務分担の見直し45.4%代替要員を確保(新規雇用・派遣)23.2%社内の配置転換等で代替要員を確保18.1%取得者・利用者がいない企業を除く(n=2,535)。主な回答のみ厚生労働省委託「令和4年度 仕事と育児の両立等に関する実態把握のための調査研究事業企業調査報告書」より作成
図1 育休の欠員への職場の対応

さらに、同じ調査事業の「令和5年度 企業調査結果の概要」では、両立支援を進めるうえでの課題として「代替要員の確保が難しく、管理職や周囲の労働者の業務量が増えた」が40.4%で最も多くなっています。つまり、代替要員が見つからないことは、多くの企業に共通する課題です。そして、働く側にも影響が出ています。同じ調査事業の「令和7年度 労働者アンケート調査結果」によると、育休を希望どおりに取れなかった理由として「職場の人手が不足していたから」を挙げた正社員の女性は20.6%との記載があります。

婚礼の業界には、欠員が出やすい事情もあります。経済産業省が2025年6月13日に公表した「省力化投資促進プラン―生活関連サービス業(冠婚葬祭業)―」によると、結婚式場業ではウエディングプランナーをはじめ女性の雇用比率が高いため、出産や育児を契機に離職するケースが多いとの記載があります。同じプランに載っている事業者の声にも、中間層のウエディングプランナーが不足しているという声があります。

そして、正直に申し上げると、人材を供給する側の弊社も同じ課題を抱えています。婚礼施設から欠員の補充を相談されても、欠員を代替できる経験者をすぐに見つけることは容易ではありません。業務委託であれば、休業の期間に合わせて雇用する必要はありません。それでも、新規接客でも施行でも、代替要員は簡単には見つからないのが実情です。

だからこそ、欠員が出るたびに補充するだけでなく、代替要員を確保できない原因を整理し、改善していく必要があると考えています。

生産年齢人口は日本全体で減少している

では、なぜ代替要員は見つからないのでしょうか。まず前提として、日本全体で生産年齢人口が減少しています。

総務省の「人口推計」によると、2026年5月1日現在の15〜64歳の生産年齢人口は7,332万2千人で、前年同月より20万人減ったとの記載があります。

企業の人員の不足感も、強い状態です。日本銀行の「全国企業短期経済観測調査(短観)」2026年9月調査によると、雇用人員判断DIは、全産業がマイナス38、対個人サービスがマイナス50、宿泊・飲食サービスがマイナス58でした。

雇用人員判断DIとは、人員が「過剰」と答えた企業の割合から、「不足」と答えた企業の割合を引いた値です。マイナスが大きいほど、人員の不足を感じている企業が多いということです。つまり、婚礼と同じく対面で個人に接する対個人サービスと宿泊・飲食サービスは、全産業よりも人員の不足を感じている企業が多いということです。

要は、婚礼施設が欠員の補充で求人を出すときも、ほかの業界も同じように人員を求めているということです。

婚礼施設のご担当者様へ新規接客・打合せ・当日の担当を、経験のあるフリープランナーに任せられます繁忙期だけ1件単位から経験者のみ登録相談してみる →

婚礼の仕事は代替要員に求める要件が多い

そのうえで、婚礼の仕事には特有の事情があります。それは、代替要員に求める要件がいくつも重なっていることです。

  • 土日祝日と長時間の勤務:経済産業省のプランには、結婚式という性質上、土日祝日の出勤が多く、長時間労働のため人手が集まりにくいという声が多数聞かれた、との記載があります
  • 給与の水準:厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、女性の一般労働者の所定内給与は、結婚式場業を含む生活関連サービス業,娯楽業が25万6,900円で、全産業の28万5,900円を下回ります。ウエディングプランナーに限った数字ではありませんが、育休を取る社員の多くが女性であるため、女性の数字で比べています
  • 技術と経験:厚生労働省の「job tag」には、ブライダルコーディネーターは挙式・披露宴の当日に約30〜40項目にわたる調整と進行管理を行う、との記載があります

一つ一つの条件なら、満たせる人材はいます。しかし、代替要員には、土日祝日の勤務、この給与や報酬の水準、すぐに担当できる経験のすべてが求められます。すべてを満たす人材は、どうしても限られます。

このうち、婚礼施設の判断で緩められる要件もあります。勤務時間、土日祝日以外の勤務日の設定、給与や報酬の水準は、婚礼施設の判断で変更できる余地があります。一方で、結婚式が土日祝日に集中する以上、土日祝日の勤務そのものは変更しにくいのが実情です。また、技術と経験も、勤務条件のように婚礼施設の判断だけで変更できるものではありません。なぜならば、結婚式当日の調整や新規接客での提案は、経験を積むことでしか身に付かないからです。ただ、業務の分け方を変えれば、代替要員に求める経験の範囲は絞れます。この点は、一貫担当制の章で考えます。

人材プールがあれば解決するのか

それでは、仮に、代わりを務められる人材を大量に登録した人材プールのようなものがあったとしたら、この課題は解決するのでしょうか。

私は、登録者を増やすだけでは解決しないと考えています。なぜならば、婚礼で足りないのは、人材の量よりも、すぐに担当を任せられる経験者だからです。

実際に、経済産業省のプランには、ブライダルコーディネーター(ウエディングプランナーなどを含む)の有効求人倍率は、直近では全産業よりも低い値であるとの記載があります。プランに載っている厚生労働省の「職業安定業務統計」の2024年の数字では、1月はブライダルコーディネーターが1.55倍で全産業の1.35倍を上回りましたが、4月以降は全産業を下回り、9月は0.89倍(全産業1.24倍)でした。

ブライダルコーディネーターと全産業の有効求人倍率ブライダルコーディネーター全産業0.81.01.21.41.61月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月1.550.891.261.351.242024年(令和6年)の月別の値。単位:倍経済産業省「省力化投資促進プラン―生活関連サービス業(冠婚葬祭業)―」(厚生労働省「職業安定業務統計」令和6年分)より作成
ブライダルコーディネーターと全産業の有効求人倍率ブライダルコーディネーター全産業0.81.01.21.41.61月3月5月7月9月11月1.550.891.261.351.242024年(令和6年)の月別の値。単位:倍経済産業省「省力化投資促進プラン―生活関連サービス業(冠婚葬祭業)―」(厚生労働省「職業安定業務統計」令和6年分)より作成
図2 ブライダルコーディネーターと全産業の有効求人倍率

有効求人倍率は、仕事を探している人1人に対して、求人がいくつあるかを表す数字です。この数字だけを見ると、ウエディングプランナーの仕事を探している人に対して、求人が特別に多いわけではありません。

それにもかかわらず、事業者からは、中間層のウエディングプランナーが不足しているという声が出ています。このことから、仕事を探している人はいても、すぐに代わりを務められる経験者は不足していると考えられます。また、欠員を求人で埋めずに社内の分担で埋めている婚礼施設が多ければ、婚礼施設はその分の求人を出していないため、有効求人倍率には反映されません。

では、経験者を集めた人材プールは、そもそも作れるのでしょうか。総務省の「労働力調査(詳細集計)2025年平均」によると、働くことを希望しながら仕事を探していない人は212万人で、そのうち女性が142万人です。仕事を探していない理由に「出産・育児のため」を挙げた人も、男女合わせて28万人います。つまり、働く意欲のある人の一部は、労働市場の外にいます。

もっとも、ブライダルの経験者がそのうち何人いるかを示す統計はありません。しかも、人材プールが役に立つのは、欠員が出たそのときに動ける経験者が登録されている場合だけです。経験者の多くは、すでにどこかの婚礼施設で働いているか、子育ての最中である可能性があります。そのため、名簿を作ることはできても、欠員が出たときに動ける経験者を確保し続けることは難しいのです。弊社が代替要員を見つけにくい理由の一つも、ここにあると考えています。

つまり、論点は人材の量だけではありません。即戦力の経験が求められることと、顧客の情報が一人の担当に集まる一貫担当制にもあります。

一貫担当制では顧客の情報が一人に集まる

業務の進め方そのものにも、原因があります。一貫担当制を取っている婚礼施設では、顧客の情報と新郎新婦との関係が、一人のウエディングプランナーに集まります。

厚生労働省の「job tag」にも、企業によっては初期接客から挙式・披露宴当日までのプロセスを同一人のスタッフが担当する、との記載があります。2026年10月20日のブログ「ウエディングプランナーの分業制と一貫担当制」では、この一貫担当制について、ウエディングプランナーが一人休んだときに誰が代わりを務めるかを、先に決めておく必要がある、と書きました。なぜならば、一貫担当制では、新規接客から施行までの情報と、新郎新婦との関係が一人のウエディングプランナーに集まるからです。代替要員は、その情報を引き継いでからでなければ担当できません。

そこで考えられるのが、新規接客と施行を分ける分業です。分業すれば、代替要員に求める経験の範囲を、新規接客か施行のどちらかに絞れます。つまり、分業はハードルを下げる一つの方法です。

ところが、分業には工程ごとの人員と、工程の間の引き継ぎの工数が必要になります。そして、その人員もまた、生産年齢人口の減少と要件の多さという同じ理由で、確保が難しいのが実情です。分業は改善策になりますが、それだけで人材不足が解決するわけではありません。

結婚式は一度きりでやり直しがきかない

結婚式という仕事そのものにも、代替を難しくする事情があります。新郎新婦にとって結婚式は一度きりで、やり直しがききません。この点が、代替要員に求める水準を引き上げています。

経済産業省は、このプランで結婚式場業の業務を、集客・営業、事前準備・打合せ、結婚式・披露宴、請求・入金管理、顧客フォローの五つに分けています。そのうえで、結婚式・披露宴は必要人員が多く、省力化の余地は小さいと整理し、サービスの中心部分であり、機械化・IT化には限界があるとしています。

結婚式場業の業務ごとの必要人員と省力化余地業務必要人員省力化の余地集客・営業少大事前準備・打合せ少非常に大きい結婚式・披露宴多小請求・入金管理少大顧客フォロー少大経済産業省「省力化投資促進プラン―生活関連サービス業(冠婚葬祭業)―」より作成
結婚式場業の業務ごとの必要人員と省力化余地業務必要人員省力化の余地集客・営業少大事前準備・打合せ少非常に大きい結婚式・披露宴多小請求・入金管理少大顧客フォロー少大経済産業省「省力化投資促進プラン―生活関連サービス業(冠婚葬祭業)―」より作成
図3 結婚式場業の業務ごとの必要人員と省力化余地

さらに同じプランには、ゲストの氏名やアレルギーなどの情報はミスが許されず、慎重に確認するため、労力と精神的負担が大きいとの記載もあります。代替要員にも、同じ水準の確認が求められます。だからこそ、経験の浅い人材には任せにくく、代替要員を探すときのハードルがさらに上がります。

マニュアル化やAI化で改善できるのは一部

それでは、マニュアル化やAI化で、この課題は改善できるのでしょうか。改善できる部分はありますが、すべてではありません。

図3のとおり、経済産業省はこのプランで、集客・営業、事前準備・打合せ、請求・入金管理、顧客フォローの省力化の余地を大きいと整理しています。とくに事前準備・打合せは「非常に大きい」とされ、婚礼施行管理システムを導入すると、ミスの解消や打合せの短縮につながるとの記載があります。

省力化の余地が大きい業務は、マニュアルとシステムを整備しておけば、休業する社員から代替要員へ引き継ぎやすくなると考えています。2024年12月1日のブログ「女性プランナーの活躍を支援する ~ 婚礼施設が取り組むべきこと」でも、業務の標準化とマニュアル化を、いちばん大事な部分として取り上げました。

同じプランには、DX化でチャットやオンラインを活用し、子育て中の社員も在宅で働けるようにした大企業の事例も載っています。そこでは、小規模な結婚式などの打合せをオンラインだけで対応し、勤務場所にかかわらず活躍できる職域をつくったとの記載があります。大企業の事例ではありますが、打合せのオンライン化に取り組めば、育児中の社員が働き続けられる職域をつくれる可能性があります。

一方で、2025年2月25日のブログ「ウエディングプランナーとAI」で書いたとおり、新郎新婦の気持ちをくみ取るヒアリングや、結婚式当日のトラブル対応は、AIに置き換えることが難しい業務です。そのため、マニュアル化とAI化で婚礼施設が下げられるのは、代替要員に求める経験のハードルの一部にとどまります。

海外では代替要員を雇いやすくする法律がある

海外には、代替要員を雇いやすくする制度を、法律で定めている国があります。

ドイツの「連邦両親手当・両親時間法」第21条は、母性保護の期間や両親時間(育児休業にあたる制度)を取る社員の代わりに雇う場合を、有期の労働契約を結ぶ正当な事由として明記しています。つまり、休む社員の代わりに期間を区切って雇用することを、法律がはっきり認めているということです。引き継ぎに必要な期間を含めて雇うこともでき、両親時間が早く終わったときは、3週間以上前の予告で契約を終えられます。

スウェーデンの「雇用保護法」も、休んでいる社員の代わりに雇う代替雇用を、有期雇用の一つとして定めています。

日本にも、代替を後押しする制度があります。労働者派遣法第40条の2第1項第4号には、産前産後休業や育児休業を取る社員の業務に派遣する場合は、派遣の期間制限の例外になると定められています。また、厚生労働省の「両立支援等助成金」には育休中等業務代替支援コースがあり、同僚に業務代替の手当を払った場合は手当の4分の3(最大240万円)、代替要員を新規雇用か派遣で受け入れた場合は9万円から81万円が支給されます。新規雇用の支給は、中小企業が対象です。

ドイツやスウェーデンの制度も日本の制度も、代替要員を「雇いやすくする」制度です。代わりを務められる経験者を「増やす」制度ではありません。なので、海外の制度を取り入れても、経験者が足りないという婚礼の課題は残ります。

ブライダルで女性が長く働くために誰が何をできるか

ここまで見てきたとおり、代替要員が見つからない課題は、一つの施策で解決することはできません。それでも、主体ごとに取り組めることは整理できます。

育休の代替要員の課題に取り組める主体個人引き継ぎと復帰の見通しの共有会社担当の分散・マニュアル化・システム化業界経験者の復職・再就業の機会行政助成金と派遣の期間制限の例外政治生産年齢人口の減少と代替の費用の負担ミクロマクロ弊社の整理による
育休の代替要員の課題に取り組める主体個人引き継ぎと復帰の見通しの共有会社担当の分散・マニュアル化・システム化業界経験者の復職・再就業の機会行政助成金と派遣の期間制限の例外政治生産年齢人口の減少と代替の費用の負担上ほどミクロ、下ほどマクロ。弊社の整理による
図4 育休の代替要員の課題に取り組める主体
  • 個人:育休に入る前に、引き継ぎと復帰の見通しを婚礼施設と共有することです。業界を離れた経験者には、短時間や単発の仕事から戻るという選択肢もあります
  • 会社:担当を一人に集めない体制、マニュアル化とシステム化、そして代わりを担った同僚への手当です。同僚への手当は、両立支援等助成金の対象にもなります
  • 業界:出産や育児で離職した経験者が、短時間勤務や業務委託・派遣で復職できる就業機会をつくることです
  • 行政:両立支援等助成金と派遣の期間制限の例外を、婚礼施設に周知し、利用を促すことです
  • 政治:生産年齢人口の減少にどう向き合うかと、代替要員の費用を社会でどう負担するかを決めることです。この二つは、一つの会社や業界の努力では解決できません

ここで大切なのは、主体ごとの取り組みがつながっていることです。例えば、会社が担当を分散して分業を進めても、経験者が復職できる就業機会が業界になければ、分業を担う人員は確保できません。また、業界に就業機会があっても、生産年齢人口が減少すれば、そこに集まる人材も減ります。そのため、会社の取り組みは業界の取り組みに、業界の取り組みは行政と政治の取り組みに支えられていると、私は考えています。

まとめ

このブログでは、「ブライダルで女性が長く働くことはできるのか」という問いを、欠員が出たときに代替要員が見つからないという課題から考えてきました。論点は、生産年齢人口の減少、婚礼の仕事の要件、人材プール、業務の構造、結婚式の特殊性、マニュアル化とAI化、海外の制度です。

私の答えは、できないわけではない、というものです。ただ、それは一つの婚礼施設が制度を整えるだけでは実現しません。欠員が出たときに代替要員を立てられる体制が、業界全体に必要です。

代替要員が見つからない原因は、人材の量だけではありません。すぐに担当を任せられる経験者が足りないことと、一貫担当制で顧客の情報と関係が一人に集まること、そして一度きりでやり直しのきかない結婚式の特殊性が重なっています。そのため、人材プールのように登録者を増やす方法だけでは解決せず、分業やマニュアル化で経験のハードルを下げる取り組みと、経験者が業界に残り、復職できる就業機会づくりの両方が必要です。

人材を供給する側の弊社も、同じ課題を抱える当事者の一社です。だからこそ、欠員が出るたびに補充するだけでなく、改善していく必要があると考えています。婚礼施設の経営者・支配人の方は会社の立場から、ウエディングプランナーの方は個人の立場から、図4のうちご自身が取り組めるところを、一緒に考えていければと思います。

用語解説

用語 意味
代替要員 産休や育休などで休む社員の業務を、その間だけ代わりに担う人
有効求人倍率 仕事を探している人1人に対して、求人がいくつあるかを表す数字
雇用人員判断DI 人員が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を引いた値。マイナスが大きいほど人手不足を感じている企業が多い
一貫担当制 新規接客から施行(打合せと結婚式当日)までを、一人のウエディングプランナーが担当する体制
分業制 新規接客と施行など、工程ごとに担当を分ける体制
両立支援等助成金 仕事と育児の両立を支援する事業主に、国が支給する助成金。育休中等業務代替支援コースは、育休中の業務を代わりに担う体制づくりを支援する
両親時間 ドイツの育児休業にあたる制度

国内の統計と調査

出典一覧(8件)

国内の政策と法令

出典一覧(3件)

海外の法令と統計

出典一覧(2件)
株式会社永光 代表取締役 高橋龍一

執筆者

株式会社永光 代表取締役 高橋 龍一

婚礼の現場とフリーのウエディングプランナーを経て、2018年からウエディングプランナーの業務委託サービス「プラスワン・プランナー」を運営しています。

代表プロフィールを見る →

婚礼施設のご担当者様へ

新規接客から当日の担当まで、任せてみませんか

経験のあるフリープランナーが、新規接客・打合せ・当日の担当を引き受けます。必要な時期と人数をお聞かせいただければ、合うフリープランナーをご紹介します。

  • 繁忙期だけ
  • 1件単位から
  • 経験者のみ登録

こちらもおすすめ


一覧を見る