業務委託の支払期日〜報酬はいつ確定し、いつ入るか
このブログの概要|読了目安:約16分
弊社は2026年10月1日のブログ「業務委託契約書と婚礼の「6か月」」で、ウエディングプランナーの業務は打合せから施行まで日数を要する役務なので、支払期日の数え始め(起算日)は施行日になると考えられる、と書きました。なぜなら、フリーランス法が、役務の提供に日数を要する場合は、一連の役務の提供が終わった日を起算日としているからです。今回は、その考え方を、実際に報酬が入る月に当てはめてみます。
業務委託で仕事を受けている方なら、「月末締め翌月末払い」という条件はご存じだと思います。では、施行担当の報酬は、仕事を始めてから実際にいつ口座に入り、どの年の収入になるのでしょうか。
答えから言うと、支払期日は、仕事をした日から60日以内に決められます。ただ、施行担当の報酬を1施行ごとにまとめて受け取る契約で、法律の期限どおりに支払われる場合は、数え始めが施行日になると考えられます。そのため、最初の入金が施行の翌月以降になることがあります。
なので、受ける前に「数え始めの日」「締切と支払日」「申告する年」の3つを確かめ、最初の入金までに自分が立て替える交通費なども見込んでおくことをおすすめします。なお、弊社のマネジメント契約では、施行日を待たずに、初回の打合せを終えた月の翌月15日に、施行の委託料の半金をお支払いしています。
このブログでは、報酬の決め方ごとの入金の月を、仮の数字で7月から翌年1月まで月別に並べます。そのうえで、手元のお金がどう動くかと、確定申告でどの年の収入になるかをお伝えします。
■ このブログでわかること
- 業務委託の支払期日が、いつから数えて何日以内に決まるか
- 新規接客と施行担当で、支払期日の数え始めの日がどう違うか
- 施行担当を受け始めてから最初の入金までの、月別の手元のお金の動き
- 弊社が、フリーランス法の基準を上回る支払日で運用していること
- 12月に施行した報酬が、翌年1月に入金されてもその年の収入になる理由
- 受託する前に、取引条件で確かめておきたいこと
業務委託の支払期日は仕事をした日から60日以内
業務委託の支払期日には、法律で上限があります。フリーランス・事業者間取引適正化等法(以下、フリーランス法)の第4条第1項は、発注する事業者に、給付を受領した日から起算して60日の期間内で、しかもできる限り短い期間内で、支払期日を定めるよう求めています。
ここでいう「給付を受領した日」は、役務の提供を委託した場合、同じ第4条第1項で「役務の提供を受けた日」と読み替えられています。ウエディングプランナーの新規接客や施行担当は役務の提供にあたるので、数え始めは「仕事をした日」です。
支払期日を定めていなかったときや、60日を超えて定めていたときの扱いも、第4条第2項に書かれています。
- 支払期日を定めなかったとき:役務の提供を受けた日が支払期日になります
- 60日を超えて定めたとき:受領した日から起算して60日を経過する日が支払期日になります
つまり、契約書に支払日が書かれていなくても、「いつ払ってもよい」ことにはなりません。ただし、第4条の義務がかかるのは、従業員を使用している発注者などの「特定業務委託事業者」です。そのため、従業員のいない個人から受ける仕事では、この上限が当てはまらないことがあります。
数え始めの日は報酬の決め方で変わる
「仕事をした日」が具体的にどの日になるかは、報酬をどの単位で決めているかで変わります。
公正取引委員会と厚生労働省は、フリーランス法の条文をどう解釈して運用するかを、「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方」という資料にまとめています。この資料は、役務の提供を委託した場合の起算日を、個々の役務の提供を受けた日としています。そして、役務の提供に日数を要する場合は、一連の役務の提供が終了した日が起算日になるとしています。
これをウエディングプランナーの仕事に当てはめると、起算日は図1のように分かれます。
新規接客は接客した日
新規接客は、接客した日ごとに役務を提供する仕事です。そのため、接客報酬の起算日は接客した日になります。成約報酬は扱いが違うので、あとで説明します。
施行担当は施行日か締切の末日
施行担当は、打合せから当日まで日数を要する仕事です。報酬を1施行ごとにまとめて決めている場合は、2026年10月1日のブログ「業務委託契約書と婚礼の「6か月」」で書いたとおり、起算日は施行日になると考えられます。
一方で、打合せや当日の1回ごとに単価を決めて、月ごとに締めて支払う契約もあります。公正取引委員会と厚生労働省の「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方」は、同じ種類の役務を続けて提供する場合に、次の3つの要件をすべて満たせば、月単位で設定された締切対象期間の末日に役務が提供されたものとして扱い、そこから60日(2か月)以内に支払うことを認めています。
- 月単位の締切対象期間の末日までに提供した役務に対して支払うことが、あらかじめ合意され、取引条件の明示(3条通知)に書かれていること
- 3条通知に、その期間の報酬の額か、役務の種類・量あたりの単価を使った算定方式が書かれていること
- 続けて提供する役務が同じ種類のものであること
! 起算日は取引条件の書き方で決まる
- 1施行ごとの報酬なのか、1回ごとの報酬なのかは、取引条件の書き方で決まります
- 同じ打合せと当日の仕事でも、書き方が違えば数え始めの日が数か月ずれます
月末締め翌月末払いは31日の月があっても60日以内
起算日が決まったら、次は締切と支払日です。「月末締め翌月末払い」は、フリーランス法のもとでも認められる決め方です。
公正取引委員会の「フリーランス・事業者間取引適正化等法パンフレット」は、「毎月●日締切、翌月●日支払」という月単位の締切制度を認めています。そのうえで、毎月末日を締切にする場合は、翌月末日までに支払期日を設定する必要があるとしています。
気になるのは、31日まである月です。たとえば、12月1日に施行した報酬を1月31日に受け取る場合、12月1日を1日目として数えると1月31日は62日目で、60日を超えるように見えます。
しかし、公正取引委員会のパンフレットは、「受領した後60日以内」を「受領した後2か月以内」として運用するため、31日の月も30日の月も同じ1か月と考えるとしています。つまり、月末締め翌月末払いは、月の長さにかかわらず60日以内の支払として扱われます。
ただし、支払日の書き方には決まりがあります。
- 認められる書き方:「●月●日支払」「毎月●日締切、翌月●日支払」
- 認められない書き方:「●月●日まで」「●●日以内」
「まで」「以内」という書き方では、支払期日を具体的な日として特定できません。そのため、公正取引委員会のパンフレットは、支払期日を定めているとは認められないとしています。
また、支払日が金融機関の休業日にあたる場合の扱いも書かれています。順延が2日以内で、翌営業日に順延することを前もって書面かメールなどで合意していれば、結果として60日を超えても問題としないとしています。
1施行ごとの報酬だと最初の入金は5か月目
施行担当を1施行ごとの報酬で受け、法律の期限どおりに支払われる場合は、受け始めた月から最初の入金までに数か月が空きます。打合せを始めた月ではなく、施行日が支払期日の数え始めになると考えられるからです。
その間の手元のお金の動きを、仮の数字で月別に並べてみます。金額と回数は計算の手順を示すための仮の数字で、実際は契約ごとに異なりますので、ご自身の条件に置き換えて読んでください。
- 7月から、10月・11月・12月に施行する顧客を1組ずつ、合わせて3組担当します
- 打合せは各組とも施行の3か月前から月1回で、施行当日を含めて1組4回稼働します
- 報酬は1施行ごとに60,000円で、施行月の末日締め、翌月末日払いとします
- 交通費は自己負担で、打合せと当日の1回ごとに1,000円とします
| 月 | 稼働 | 施行(起算日) | 入金 | 手元の累計 |
|---|---|---|---|---|
| 7月 | 1回 | なし | なし | -1,000円 |
| 8月 | 2回 | なし | なし | -3,000円 |
| 9月 | 3回 | なし | なし | -6,000円 |
| 10月 | 3回 | 1組目 | なし | -9,000円 |
| 11月 | 2回 | 2組目 | 60,000円 | 49,000円 |
| 12月 | 1回 | 3組目 | 60,000円 | 108,000円 |
| 翌年1月 | なし | なし | 60,000円 | 168,000円 |
※ 稼働は打合せと当日の回数、手元の累計は入金の合計から交通費の合計を引いた金額です。
この表から言えるのは、7月から10月までの4か月間、9回稼働しても入金はなく、交通費の9,000円は自分で立て替え続けるということです。最初の60,000円が入るのは、打合せを始めてから5か月目の11月末です。
担当する組数を増やせば、立て替える交通費もそのぶん増えます。だから、施行担当を受け始める前には、最初の入金がいつになるかを取引条件で確かめ、その月までの交通費や生活費を見込んでおくことが大切です。
! 最初の入金までの月数を先に数える
- 1施行ごとの報酬を法律の期限どおりに支払う契約では、打合せを始めた月から最初の入金まで数か月空きます
- その間の交通費は自分で立て替えることになります
1回ごとの報酬なら8月末から入金が始まる
同じ3組の仕事を、打合せと当日の1回ごとの報酬で受けると、入金は8月末から始まります。1回15,000円(1組4回で60,000円)、月末締め翌月末払いで受けたとして、月末までに入金された報酬の累計を比べたのが図2です。
報酬の総額は同じ180,000円でも、1回ごとの報酬なら、10月末までに90,000円が入ります。これに対して、1施行ごとの報酬では、10月末の時点で入金は0円です。
ただ、どちらがよいかは一概には言えません。1回ごとの報酬は、先ほどの3つの要件を満たす取引条件になっている必要があり、どちらの決め方をとるかは、発注する側の事務の仕組みにもよるからです。受ける側にできるのは、報酬の決め方で入金の月がこれだけずれると知ったうえで、どちらの条件なのかを受ける前に確かめておくことです。
成約報酬はどの月の分として支払われるか
新規接客の接客報酬は、先ほどのとおり、接客した日が起算日です。月末締め翌月末払いなら、10月に接客した分は11月末に入ります。
これに対して、成約報酬は、受託した時点では金額が決まっていません。弊社は2026年10月23日のブログ「新規接客の成約報酬と実質時給」で、成約報酬のように後から金額が決まる報酬は、算定方法を示すことで明示できる、と書きました。なぜなら、フリーランス法の施行規則が、報酬の具体的な金額を示すことが難しいやむを得ない事情がある場合には、算定方法を示せばよいとしているからです。
そのブログでは、そのうえで、成約とみなす時点、後日成約した顧客の扱い、解約の扱いを、受託する前に確かめておくことをすすめています。
公正取引委員会と厚生労働省の「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方」は、算定方法による明示について、次の2つを求めています。
- 算定方法は、算定の根拠になる事項が確定すれば、具体的な金額が自動的に確定するものでなければなりません
- 具体的な金額が確定した後は、速やかにその金額をフリーランスに明示する必要があります
つまり、成約報酬は「成約という事実が確定した時点で金額が決まる」報酬です。ただ、接客した日と成約が確定した日は、同じ日とは限りません。後日成約した顧客の成約報酬が、接客した月の分として支払われるのか、成約が確定した月の分として支払われるのかで、入金の月が1か月以上ずれることがあります。
だから、受ける前に取引条件で、成約報酬の算定方法と、確定した金額がいつ示されるか、後日成約した顧客の成約報酬がどの月の分として支払われるかを確かめておきます。
仲介先から受けるときは再委託の決め方もある
ここまでは、婚礼施設と直接契約する場合を前提にしてきました。仲介先と契約して婚礼施設の仕事を受ける場合は、支払期日の決め方がもう1つあります。
弊社は2026年10月19日のブログ「業務委託の仕事の探し方と3つの経路」で、仕事を探す経路によって契約先が変わり、委託料の支払元と支払期日も変わると書きました。なぜなら、業務委託契約は契約先との取り決めで、支払期日も契約先が決めるからです。そして、仲介先が契約先になる経路では、仲介先が婚礼施設から受けた仕事を、フリープランナーに再委託することがあります。
フリーランス法第4条第3項は、再委託の場合に、元の発注者から仲介先への支払期日(元委託支払期日)から起算して30日以内で、フリーランスへの支払期日を定めることを認めています。法律は、仲介先が婚礼施設などから受けた仕事をフリーランスに再委託する取引を、通常の取引として想定したうえで、支払期日の決め方を定めているわけです。
ただし、公正取引委員会の「フリーランス・事業者間取引適正化等法パンフレット」によれば、この例外を使うには、通常の取引条件に加えて次の3つを明示する必要があります。
- 再委託であること
- 元委託者の名称
- 元委託業務の対価の支払期日
取引条件にこの3つが書かれていなければ、原則どおり、仕事をした日から60日以内の支払期日になります。また、公正取引委員会のパンフレットは、元委託者から仲介先への支払が遅れても、フリーランスへの支払を遅らせることはできないとしています。
なお、2026年10月1日のブログ「業務委託契約書と婚礼の「6か月」」で書いたとおり、新郎新婦は消費者のため、婚礼施設が新郎新婦から代金を受け取る時期は、この例外の元委託支払期日にはあたらないと考えられます。だから、「新郎新婦からの入金を確認した後に支払う」という条件は、再委託の例外では説明できないと考えられます。
弊社の支払いは法律の期限より早い翌月15日
弊社と契約して働く場合の支払日は、フリーランス法が定める支払期日の基準を上回る運用にしています。法律が定める上限の期日を守るだけでなく、その期日より前倒しで報酬をお支払いしているということです。
弊社のマネジメント契約は、弊社が婚礼施設から受けた仕事を、フリープランナーに再委託する契約形態です。そのうえで、弊社が報酬をまとめて管理し、毎月15日に弊社からお支払いします。報酬ごとの締めと支払日は、次のとおりです。
| 報酬 | 締め | 弊社の支払日 |
|---|---|---|
| 新規接客の接客手当 | 当月締め | 翌月15日 |
| 新規接客の成約報酬 | 成約した月で締め | 翌月15日 |
| 施行の委託料 | 初回の打合せを終えた月と、 |
それぞれの翌月15日に半金ずつ |
| 交通費 | 月ごと | 月ごとにお支払い |
この表から言えることは2つあります。
第一に、月末締めの報酬を、原則の期限である「翌月末日まで」より半月早い翌月15日にお支払いしていることです。再委託の場合は、先ほどの例外によって、支払期日を元委託支払期日から30日以内とすることもできます。しかし、弊社の支払日は、その例外に頼らなくても原則の60日以内に収まる翌月15日です。
第二に、施行の委託料の半金を、施行日を待たずに、初回の打合せを終えた月の翌月15日にお支払いしていることです。なぜなら、1施行ごとの報酬では、施行日が数え始めになると考えられ、打合せを始めてから最初の入金まで数か月空いてしまうからです。
先ほどと同じ仮の条件(7月に初回の打合せ、10月に施行、報酬60,000円)を弊社の支払日に当てはめると、1組目の報酬は、8月15日に30,000円、11月15日に30,000円が入ります。施行日を数え始めとする場合は11月末まで入金がなかった1組目の報酬のうち、半分が3か月早く入る計算です。そのぶん、フリープランナーが交通費などを立て替える期間は短くなります。
なお、日程の変更や担当の変更があった場合は、すでにお支払いした委託料などを、規定によりご返還いただくことがあります。また、成約報酬は「成約した月で締め」ているため、後日成約した顧客の成約報酬は、成約した月の翌月15日にお支払いします。
12月の施行は入金が翌年でもその年の収入
確定申告では、入金の月とは別に「どの年の収入になるか」が問題になります。12月に施行した報酬が翌年1月に入金されるように、仕事をした年と入金される年がずれることがあるからです。
所得税基本通達36-8(5)は、人的役務の提供による収入は、その人的役務の提供を完了した日に収入すべきものとしています。ただし、期間の経過や役務の提供の程度に応じて報酬を受け取る特約や慣習がある場合は、その特約や慣習によって収入すべき事由が生じた日によるとしています。そして、副業の報酬を雑所得として申告する場合も、所得税基本通達36-14(2)により、この取扱いに準じて判定します。
これまでの仮の条件に当てはめると、申告する年の収入は図3のようになります。
その年に口座に入った報酬は120,000円でも、その年の収入として申告する報酬は180,000円になります。12月に施行した60,000円は、入金が翌年1月でも、施行を終えた年の収入に入るからです。
ただし、例外もあります。所得税法第67条は、政令で定める要件にあてはまる小規模な事業者や小規模な業務を行う人について、その年に実際に収入した金額で計算できる特例を定めています。この特例を使うには要件と手続きがありますので、自分が使えるかどうかは、税務署か税理士に確かめてください。
申告の考え方の全体は、2026年9月17日のブログ「業務委託の「振込額」と「手取り」の違い」で書きました。そのブログでは、業務委託の報酬は源泉徴収されずに振り込まれることが多く、振り込まれた額がそのまま手取りになるわけではないと書いています。だから、年末に施行が多い年は、入金の合計ではなく、施行を終えた日の合計で収入を数えておくことが大切です。
! 年末の施行は申告の年に注意
- 12月に施行した報酬は、入金が翌年でも、原則として施行を終えた年の収入です
- 入金した年で計算できる特例には要件があるため、税務署か税理士に確かめます
受ける前に起算日と支払期日と申告する年を確かめる
報酬にかかわる日付は、起算日、支払期日、申告する年の3つです。この3つを1つの流れにすると、図4のようになります。受託する前には、この3つが取引条件のどこに書かれているかを確かめます。
取引条件を受け取ったら、次の点を確かめます。なお、フリーランス法第4条第5項は、発注者が定めた支払期日までに報酬を支払わなければならないとしています。そして、同じ法律の第6条は、違反があるときに、フリーランスが公正取引委員会か中小企業庁長官に申し出ることができると定めています。
☑ 受託する前に確かめること
- 報酬は、1施行ごとか、打合せと当日の1回ごとか
- 締切日と支払日が「●月●日支払」「毎月●日締切、翌月●日支払」のように書かれているか
- 最初の入金は何月末になるか、それまでの交通費をいくら立て替えるか
- 成約報酬の算定方法と、後日成約した顧客の成約報酬がどの月の分として支払われるか
- 仲介先と契約する場合、再委託であることと元委託支払期日が書かれているか
よくある質問
まとめ
このブログでは、業務委託で新規接客や施行担当を受けるウエディングプランナーに向けて、報酬がいつ確定し、いつ入金されるかを書きました。なぜなら、報酬の決め方によって入金の月と申告する年が数か月ずれることがあり、受ける前にそれを知らないと、手元のお金の見込みを誤るからです。
業務委託の支払期日は、仕事をした日から60日以内に決められ、月末締め翌月末払いは、31日の月を含んでも2か月以内として扱われます。ただし、数え始めの日は報酬の決め方で変わります。1施行ごとの報酬では施行日と考えられ、接客報酬では接客した日、1回ごとの報酬では要件を満たせば締切対象期間の末日です。
仮の条件で試算すると、1施行ごとの報酬で3組を担当した場合、7月から10月までの4か月は入金がなく、最初の60,000円が入るのは11月末でした。同じ仕事を1回ごとの報酬で受けると、8月末から入金が始まります。
なお、弊社のマネジメント契約は、フリーランス法の支払期日の基準を上回る運用として、報酬を翌月15日にお支払いし、施行の委託料は初回の打合せを終えた月と施行を終えた月の翌月15日に半金ずつお支払いしています。そして、12月に施行した報酬は、入金が翌年1月でも、原則としてその年の収入として申告します。
■ この章のまとめ
- 業務委託の支払期日は、仕事をした日から60日以内で定められます
- 1施行ごとの報酬を法律の期限どおりに支払う契約では、起算日が施行日になると考えられるため、最初の入金まで数か月空きます
- 成約報酬は、算定方法と、後日成約した顧客の支払月を確かめます
- 弊社は、フリーランス法の支払期日の基準を上回り、翌月15日にお支払いしています
- 12月の施行の報酬は、原則として施行を終えた年の収入になります
☑ 次にすること
- 次に受ける仕事の取引条件で、報酬の決め方と締切日・支払日を確かめる
- 最初の入金の月と、それまでに立て替える交通費を数える
- 年末に施行がある場合は、入金の合計ではなく施行を終えた日の合計で収入を数えておく
報酬の金額だけで仕事を比べるのではなく、その報酬がいつ数え始められ、いつ口座に入り、どの年の収入になるかまで確かめたうえで、どの仕事を受けるかを判断してください。
用語解説
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| フリーランス法 | フリーランス・ |
| 支払期日 | 発注者が報酬を支払う日です。 |
| 起算日 | 支払期日の60日を数え始める日です。 |
| 3条通知 | フリーランス法第3条にもとづいて、 |
| 締切対象期間 | 月単位の締切制度で、 |
| 再委託 | 発注者から受けた仕事の全部か一部を、 |
| 元委託支払期日 | 再委託の場合に、 |
| 算定方法 | 報酬の具体的な金額を決めるための計算の方法です |
| 人的役務の提供 | 人が自分の技能や労力によってサービスを提供することです |
| 雑所得 | 給与所得や事業所得など、 |
出典一覧
- e-Gov法令検索「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(令和5年法律第25号)第3条、第4条、第6条 https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000025
- 公正取引委員会・厚生労働省「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律の考え方」(令和6年5月31日、令和8年10月1日改正)9〜10ページ、19〜21ページ https://www.mhlw.go.jp/content/001572556.pdf
- 公正取引委員会「フリーランス・事業者間取引適正化等法パンフレット」10〜13ページ https://www.jftc.go.jp/file/flpamph.pdf
- 国税庁「所得税基本通達」〔収入金額〕36-8、36-14 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/01.htm
- e-Gov法令検索「所得税法」(昭和40年法律第33号)第67条 https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
- e-Gov法令検索「民法」(明治29年法律第89号)第648条 https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
※ このブログは2026年10月27日時点で公表されている内容に基づいています。ブログ中の報酬の金額と回数は、計算の手順を示すための仮の数字です。税金の扱いは個別の事情で変わりますので、確定申告の前に税務署か税理士に確かめてください。

執筆者
株式会社永光 代表取締役 高橋 龍一
婚礼の現場とフリーのウエディングプランナーを経て、2018年からウエディングプランナーの業務委託サービス「プラスワン・プランナー」を運営しています。
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