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見積の追加が生まれる構造〜説明の順番を変える

生成りと淡い緑の背景を金の縦線で左右に分け、左に「2026.10.05」の日付と「見積の追加が生まれる構造」「説明の順番を変える」の題字、右に「このブログでわかること」として「差額は4つの層で生まれる」「招待客1人で総額が動く」「同じ増額でも粗利は違う」の3項目とプラスワン・プランナーのロゴ

このブログの概要|読了目安:約13分

結婚式の見積は、初回に受け取った金額よりも、最終請求のほうが高くなることがよくあります。増えた分の中身を見ると、多くは値上げではありません。

招待客の人数が確定した分と、新郎新婦がランクを選び直した分と、初回見積には入っていなかった項目が乗った分の合計です。結婚式の見積が上がること自体は、二人が選んだ結果であることが多く、悪いことではありません。

同じ金額でも、新郎新婦の受け取り方は分かれます。説明が「先に総額、後から項目」の順番になっていると、差が分かるのが最後になりやすいからです。

そのため、同じ金額であっても、「説明を受けていた」と受け取られることもあれば、「聞いていない」と受け取られることもあります。大切なのは、説明の順番と、新郎新婦の期待とのずれです。

弊社は2025年1月17日のブログ「結婚式の見積が上がることへの一考」で、見積が上がること自体が問題なのではなく、期待とのギャップと誠実な案内が大切だと書きました。なぜなら、同じ金額でも、説明の順番によって新郎新婦の受け取り方が分かれるからです。だから、このブログでは、次の順番で進めます。

  1. そのギャップがどの項目で生まれるのかを分けて示す
  2. その差が施設の粗利にどう影響するのかを確かめる
  3. 説明の順番をどう入れ替えればよいかまで進める

■ このブログでわかること

  • 初回見積と最終請求の差が、見積のどの部分で生まれるのか
  • 招待客が1人動くと、総額がいくら動くのか
  • 商品代が増えると、サービス料と消費税も一緒に増える仕組み
  • 同じ増額でも、主体収入か付帯収入かで手元に残る金額が変わること
  • 説明の順番を入れ替えると、新郎新婦の受け取り方がどう変わるのか
  • 業務委託のフリープランナーと、説明の順番をどう共有するのか

総額の幅と一人当たりの単価

差の話に入る前に、結婚式の総額にどれくらいの幅があるのかを確かめておきます。リクルートブライダル総研の「結婚マーケット調査2025」(2026年1月22日公表)によれば、挙式と披露宴・ウエディングパーティーをともに実施した人の費用総額は、平均で298.6万円でした。

ただし、この平均値だけを見ると判断を誤ります。同じ調査で最も多い価格帯は300〜350万円未満ですが、その割合は18.6%にとどまるからです。言い換えれば、8割以上の新郎新婦は、この価格帯とは違う金額で結婚式を挙げています。

費用総額の価格帯 割合
100〜150万円未満 10.8%
200〜250万円未満 12.7%
300〜350万円未満 18.6%
400〜450万円未満 8.1%
費用総額の価格帯ごとの割合(抜粋) 10.8% 100〜150万円未満 12.7% 200〜250万円未満 18.6% 300〜350万円未満 8.1% 400〜450万円未満 リクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」より抜粋
費用総額の価格帯ごとの割合(抜粋)100〜150万円未満10.8%200〜250万円未満12.7%300〜350万円未満18.6%400〜450万円未満8.1%リクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」より抜粋
図1 費用総額の価格帯ごとの割合(抜粋)

※ リクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」より、挙式と披露宴・ウエディングパーティーをともに実施した人の回答を抜粋しました。

この幅を生んでいるのが、招待客の人数と一人当たりの単価です。同じ調査では、招待客人数の平均は57.2人、挙式と披露宴を1回ずつ実施した人の招待客一人当たりの費用は平均7.3万円でした。つまり、結婚式の総額は、はじめから決まっている額ではなく、人数と二人の選択によって決まる額です。

なお、この調査は2024年版までの「ゼクシィ結婚トレンド調査」とは調査対象が異なり、報告書にも過去との比較はしない旨が明記されています。集計サンプル数はトレンド編で817人ですので、母数の大きさも踏まえて目安として扱うのが適切です。

✔ ここがポイント

  • 費用総額の平均は298.6万円ですが、最も多い価格帯でも18.6%にとどまります
  • 総額は決まっている額ではなく、人数と選択で決まる額です

見積の追加が生まれる4つの層

総額が人数と選択で決まるのであれば、見積の中身も、動く部分と動かない部分に分けて考えられます。ここでは見積の項目を、金額が動く理由ごとに4つの層に分けて並べます。

見積は4つの層でできている層中身の例初回見積での扱い固定部分動かない会場使用料、挙式料、基本の進行・人件費金額が確定していて後から動く理由がない人数連動部分動く料理、飲物、引出物、引菓子、席札、ゲスト装花仮の人数で計算してあり人数が決まると動く選択部分動く衣裳、装花、写真、映像、演出、ヘアメイク最低ランクで計算してあり選び直すと動く後付け部分動くサービス料、消費税、持込料、介添料入っていないことがあり他の3層が決まってから乗る初回見積と最終請求の差は、下の3層が動いた分の合計です
見積は4つの層でできている層中身の例初回見積での扱い固定部分動かない会場使用料、挙式料、基本の進行・人件費金額が確定していて後から動く理由がない人数連動部分動く料理、飲物、引出物、引菓子、席札、ゲスト装花仮の人数で計算してあり人数が決まると動く選択部分動く衣裳、装花、写真、映像、演出、ヘアメイク最低ランクで計算してあり選び直すと動く後付け部分動くサービス料、消費税、持込料、介添料入っていないことがあり他の3層が決まってから乗る初回見積と最終請求の差は、下の3層が動いた分の合計です
図2 見積は4つの層でできている

固定部分は、会場使用料や挙式料のように、人数が変わっても選択が変わっても動きません。残る3つの層は、それぞれ別の理由で動きます。

  • 人数連動部分は招待客が確定したときに動く
  • 選択部分はランクを選び直したときに動く
  • 後付け部分は他の3層が決まってから乗る

初回見積と最終請求の差は、この下の3層が動いた分の合計です。 この分け方を新郎新婦と共有しておくと、差が出たときに「どの層が、なぜ動いたのか」を1行で説明できます。

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人数で動く部分

4つの層のうち、最初に動くのは人数連動部分です。契約の時点で招待客が確定していることは、ほとんどないからです。

招待客が1人動くと、総額は平均7.3万円動くリクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」の一人当たり平均費用より作成招待客 +1人+7.3万円招待客 +5人+36.5万円招待客 +10人+73.0万円同じ会場・同じ内容でも、人数が決まるまで総額は確定しません。初回見積の人数は仮の数字ですから、ここが最初に動きます。※ 全国平均からの試算です。一人当たりの単価は会場と内容で異なります。
招待客が1人動くと、総額は平均7.3万円動くリクルートブライダル総研「結婚マーケット調査2025」の一人当たり平均費用より作成招待客 +1人+7.3万円招待客 +5人+36.5万円招待客 +10人+73.0万円同じ会場・同じ内容でも、人数が決まるまで総額は確定しません。初回見積の人数は仮の数字ですから、ここが最初に動きます。※ 全国平均からの試算です。一人当たりの単価は会場と内容で異なります。
図3 招待客が1人動くと、総額は平均7.3万円動く

一人当たり7.3万円という平均値を当てはめると、招待客が5人増えれば総額は約36.5万円、10人増えれば約73.0万円動く計算になります。ランクを上げた覚えがなくても、人数が確定するだけで、これだけの差が出ます。

人数が最初に動くのであれば、初回見積の仮人数をいくつに置くかが、そのまま差の大きさを決めます。少なめに置けば初回の総額は低く見えますので比較では有利になりますが、人数が確定した段階の差は大きくなります。多めに置けば差は小さく収まるかわりに、比較の段階で候補から外れることがあります。

仮人数の置き方 初回総額の見え方 人数確定時の差
少なめに置く 低く見える 大きくなる
実績の平均で置く 中位に見える 小さく収まる
多めに置く 高く見える 下がることがある

どちらに置くかよりも、置いた人数を明示しているかどうかのほうが大切です。 なぜなら、新郎新婦が不安に感じるのは、差の大きさそのものよりも、差を前もって知らされていなかったことだからです。

したがって、初回見積には「何名で計算しているか」と「1名増減したときにいくら動くか」の2点を、金額の近くに書き添えます。そうしておけば、人数が確定した段階の増減は、予定どおりの確定として受け取られます。

ご祝儀と自己負担額についても、同じ調査が数値を公表しています。挙式と披露宴を1回ずつ実施した人のご祝儀総額は平均187.1万円、自己負担額は平均158.9万円でした。

人数が増えればご祝儀も増えますので、総額の増加がそのまま自己負担の増加になるとはかぎりません。この点を先に伝えておくことも、人数の相談を進めやすくします。

※ 費用総額とご祝儀総額、自己負担額は、それぞれ集計の対象が異なります。平均値同士を引き算して自己負担額を求めることはできませんので、注意が必要です。

✔ ここがポイント

  • 仮人数の置き方は、初回の見え方と後の差の大きさのどちらを取るかという判断です
  • どちらを選んでも、置いた人数を書面に明示することが前提になります

選択で動く部分

人数が確定したあとに動くのが選択部分です。代表的な項目は次のとおりです。

  • 衣裳
  • 装花
  • 写真
  • 映像
  • 演出
  • ヘアメイク

初回見積の選択部分が最低ランクで組まれているのは、多くの施設で共通しています。比較検討の入口では、まず「この構成であれば実施できる」という基準の金額を示す必要があるからです。

そのうえで、新郎新婦が打合せの中で衣裳や装花を選び、より気に入ったものに変えていけば、見積が上がるのは自然なことです。選択部分で見積が上がるのは、多くの場合、二人が自分たちで選んだ結果です。

ただし、初回見積が最低ランクで組まれていることが伝わっていないと、新郎新婦は初回見積を「標準的な内容の金額」だと受け取ることがあります。その場合、ランクを選び直すたびに、約束が変わったように感じられてしまいます。

そこで、ランクごとの差額を一覧にして契約前に渡しておくと、説明がしやすくなります。衣裳が何ランクあり、1段上げるといくら増えるのか、装花は卓上と高砂でどう変わるのかを、差額の表として示します。金額そのものよりも、ランクごとの差額を先に見せることで、打合せのたびの説明の負担も軽くなります。

✔ ここがポイント

  • 初回見積が最低ランクで組まれていること自体は、問題ではありません
  • 選択で見積が上がるのは、多くの場合、二人が選んだ結果です
  • ランクごとの差額を一覧にして、契約前に渡しておくと説明がしやすくなります

後から乗る部分

人数と選択が決まっても、まだ総額は確定しません。次のように、他の層が決まってから乗る項目があるからです。

  • サービス料
  • 消費税
  • 持込料
  • 介添料

このうち持込料については、弊社は以前、2025年1月27日のブログ「「流通」と「手数料」」で、流通と手数料という観点から書いています。持込料が何に対する対価なのかを施設の側が説明できるかどうかで、新郎新婦の受け取り方は変わります。

初回見積に入っていないことがある項目は、契約前に一覧にして渡しておくと、最終請求の場で驚かれずに済みます。 持込料や介添料は、新郎新婦が何を持ち込むか、当日に誰が付くかが決まってから金額が分かるため、最初の見積には出てこないことがあるからです。

! 後付け部分は、他が決まってから乗ります

  • 持込料と介添料は、初回見積に入っていないことがあります
  • 入っていない項目は、契約前に一覧にして書面で渡しておくと確実です
  • 最終請求の場で初めて出てくると、「聞いていない」と受け取られやすくなります

率で乗る金額

後から乗る4項目のうち、サービス料と消費税は、他とは増え方が違います。金額が決まっているのではなく、率で乗るからです。

商品代が増えると、率で乗る金額も増える商品代が増える料理、飲物、衣裳、装花などの増加分サービス料が乗る率と対象項目は会場ごとに定める消費税が乗る標準税率は10パーセント最終請求が増える商品代の増加分より大きくなる商品代を足し算した金額は、最終請求の金額になりません※ 消費税の内訳は消費税率7.8パーセントと地方消費税率2.2パーセントです(国税庁「No.6303」令和8年4月1日現在法令等)※ サービス料の率と、どの項目に掛かるかに全国共通の決まりはありません
商品代が増えると、率で乗る金額も増える商品代が増える料理、飲物、衣裳、装花などの増加分サービス料が乗る率と対象項目は会場ごとに定める消費税が乗る標準税率は10パーセント最終請求が増える商品代の増加分より大きくなる商品代を足し算した金額は、最終請求の金額になりません※ 消費税の内訳は消費税率7.8パーセントと地方消費税率2.2パーセントです(国税庁「No.6303」令和8年4月1日現在法令等)※ サービス料の率と、どの項目に掛かるかに全国共通の決まりはありません
図4 商品代が増えると、率で乗る金額も増える

消費税は、国税庁の「No.6303 消費税及び地方消費税の税率」によれば、標準税率が10%です。内訳は消費税率7.8%と地方消費税率2.2%になります。一方で、サービス料の率と、どの項目にサービス料が掛かるかは、会場ごとに定めているもので、全国共通の決まりはありません。

そのため、サービス料の率と対象項目を初回見積の中に書いておくと安心です。率を知らない新郎新婦は、商品代を足した金額が総額だと考えやすいからです。その状態で最終請求を受け取ると、計算が合わないと感じてしまいます。

人数の増加は、人数連動部分と率で乗る部分の両方に影響します。 招待客が増えれば料理と飲物の金額が増え、その増えた金額にサービス料が掛かり、さらに消費税が掛かります。したがって、人数が動いたときの増加額は、商品代の増加分だけを足した金額よりも大きくなります。

! サービス料は初回見積の段階で伝えます

  • サービス料の率と対象項目は、初回見積の中に書いておきます
  • 商品代が増えると、サービス料と消費税も同じ率で増えます
  • 最終請求の場で初めて説明すると、計算が合わないと受け取られやすくなります

粗利の増え方の差

ここまでは新郎新婦への伝え方でしたが、層の違いは施設の収益にも関わります。同じ金額が増えても、主体収入か付帯収入かで手元に残る金額が変わるからです。

同じ10万円の増額でも、手元に残る金額は違うプラスワンプランナー「読解・ブライダル市場④〜利益構造とプラン」の原価率より作成主体収入(料飲)原価率 30パーセント7万円付帯収入(衣裳・装花など)原価率 65パーセント3万5千円10万円を売り上げたときに手元に残る金額の差は、3万5千円付帯収入を値引くと、売上は減っても原価は減らないため、目減りはさらに大きい※ 60名の披露宴を想定したサンプルの原価率で、実際の原価率は会場ごとに異なります
同じ10万円の増額でも、手元に残る金額は違うプラスワンプランナー「読解・ブライダル市場④〜利益構造とプラン」の原価率より作成主体収入(料飲)原価率 30パーセント7万円付帯収入(衣裳・装花など)原価率 65パーセント3万5千円10万円を売り上げたときに手元に残る金額の差は、3万5千円付帯収入を値引くと、売上は減っても原価は減らないため、目減りはさらに大きい※ 60名の披露宴を想定したサンプルの原価率で、実際の原価率は会場ごとに異なります
図5 同じ10万円の増額でも、手元に残る金額は違う

弊社の2026年8月26日のブログ「読解・ブライダル市場④〜利益構造とプラン」で示したサンプルでは、主体収入にあたる料飲の原価率が30%、付帯収入にあたる衣裳などの原価率が65%でした。この原価率をそのまま当てはめると、主体収入が10万円増えたときに手元に残るのは7万円、付帯収入が10万円増えたときに手元に残るのは3万5千円という計算になります。

同じサンプルでは、売上3,255,000円に対して売上総利益が1,851,750円、粗利率は約57%でした。仮に粗利率を50%まで落としてよいと判断するなら、粗利益は1,627,500円になりますので、値引きしてよい金額は224,250円という計算になります。

この2つを並べると、説明の順番が施設の収益にも関わることが分かります。差額の説明が後になり、最後に値引きで納めることになると、その分だけ値引きの原資が減ります。

しかも付帯収入を値引いた場合は、売上が減っても原価は減りませんので、手元に残る金額はさらに少なくなります。増える理由を先に伝えておくことは、値引きの原資を守るうえでも役に立ちます。

婚礼施設の収益の仕組みについては、弊社の2025年9月1日のブログ「結婚式場の「箱貸し」収益構造を考える」でも扱っています。

✔ ここがポイント

  • 同じ10万円の増額でも、主体収入なら7万円、付帯収入なら3万5千円が手元に残ります
  • 説明が後になって値引きで納めると、値引きの原資が減ります
  • 自社の収益がどの層に乗っているかを確かめてから、説明の優先順位を決めます

初回見積の作り方と表示

収益の面から見ても説明を先に出すほうがよいとすると、残るのは初回見積をどう作るかです。最低ランクで組んだ見積を、どこまで「この金額でできます」と言ってよいのかという問題になります。

消費者庁は、景品表示法第5条第2号が定める有利誤認表示について、価格その他の取引条件に関して、実際のものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示を禁止するものだと説明しています。禁じられているのは、著しく有利であると誤認させる表示です。

したがって、初回見積を最低ランクで組むこと自体が、ただちに問題になるわけではありません。ただし、構成を示さずに金額だけを強調すると、表示の作り方によっては問題になることがあります。金額と構成をセットで示すことを、施設として決めておくと安心です。

具体的には、「この金額で結婚式ができます」ではなく、「この構成であれば、この金額です」という示し方にします。 この言い換えだけでも、初回見積が最低ランクの構成で組まれていることが伝わります。

説明の順番を入れ替える

4つの層と表示の考え方が決まれば、あとは説明の順番です。同じ内容でも、どの順で伝えるかで、受け取り方が変わるからです。

説明の順番を入れ替えるこれまでの順番入れ替えた後の順番1総額(最低額)を見せる2項目を一つずつ決めていく3決めるたびに総額が上がる4最終見積で差が確定する差が分かるのは最後「聞いていない」と受け取られやすくなります1総額の幅(下限と上限)を見せる21人あたりの単価を先に示す3ランクごとの差額を一覧で見せる4後付け項目を契約前に渡す5決めるたびに総額を更新する差が分かるのは決める前
説明の順番を入れ替えるこれまでの順番1総額(最低額)を見せる2項目を一つずつ決めていく3決めるたびに総額が上がる4最終見積で差が確定する差が分かるのは最後「聞いていない」と受け取られやすくなります入れ替えた後の順番1総額の幅(下限と上限)を見せる21人あたりの単価を先に示す3ランクごとの差額を一覧で見せる4後付け項目を契約前に渡す5決めるたびに総額を更新する差が分かるのは決める前
図6 説明の順番を入れ替える

総額から説明する順番

  1. 最初に総額を見せる
  2. 項目を一つずつ決める
  3. 決めるたびに総額が上がる
  4. 最終見積で差が確定する

この流れでは、差が分かるのが最後になりやすくなります。

入れ替えた後の順番

  1. 総額を幅で示す
  2. 1人あたりの単価を先に伝える
  3. ランクごとの差額を一覧で見せる
  4. 後付け項目を契約前に渡す
  5. 決めるたびに総額を更新する

この流れでは、差が分かるのは決める前になります。

必要なのは、見積の追加を減らすことではありません。追加が起きる前に、どこでいくら動くのかを新郎新婦が知っている状態にしておくことです。

追加そのものは、人数が確定し、二人がランクを選んだ結果として生まれるものです。それを無理に抑えようとすると、今度は施設の採算が合わなくなります。

✔ ここがポイント

  • 総額は幅で示し、下限と上限の両方を伝えます
  • 1人あたりの単価とランクごとの差額を、決める前に渡します
  • 決めるたびに総額を更新し、その場で共有します

フリープランナーとの共有

新規接客や打合せを業務委託のフリープランナーに任せている場合、この順番の入れ替えは、見積の様式を整えることと同じ意味を持ちます。業務委託では、受託者の業務の進め方に指揮命令を出せないからです。

そのため、説明の順番を担当者ごとの口頭指導でそろえることはできません。そろえる手段は、発注時に渡す見積の様式と記載ルールになります。

どの行がどの層にあたるのか、仮人数とサービス料の率をどこに書くのかを様式で決めておきます。様式が決まっていれば、誰が説明しても、同じ情報が新郎新婦に届きます。

この考え方は、弊社の2025年10月18日のブログ「業務「委託」と「丸投げ」の違い」で書いた、委託と丸投げの違いと同じです。発注する側が条件と環境を用意したうえで業務を任せるのが委託であり、用意しないまま結果だけを求めるのが丸投げにあたります。

なお、プラスワンプランナーは、フリーウエディングプランナーと結婚式会場を業務委託でつなぐサービスです。見積の様式や説明手順をどこまで発注側で用意しておくべきかについてのご相談も承っています。

契約前に決めておく5点

順番を入れ替えるには、現場の判断に任せるのではなく、施設として渡すものを決めておく必要があります。担当者によって説明が変わると、順番を変えた意味がなくなるからです。

☑ チェックリスト

  • 初回見積の計算人数と、1名増減したときに動く金額
  • 初回見積に入っている各項目のランクと、1段上げたときの差額の一覧
  • サービス料の率と、どの項目に掛かるか
  • 初回見積に入っていない項目(持込料、介添料など)の一覧
  • 総額を更新して共有する頻度と方法

この5つは、いずれも新しい値引きを求めるものではありません。すでに施設が持っている情報を、渡す順番だけ変えるものです。 したがって、料金体系を変えずに実行できます。

まとめ

このブログでは、結婚式の見積が初回見積より上がるとき、その差がどこで生まれるのかを、見積の項目を4つの層に分けて確かめました。差は、次の3つが動いた分の合計です。

  • 人数連動部分
  • 選択部分
  • 後付け部分

■ このブログの要点

  • 人数連動部分は招待客が確定したときに動き、選択部分は二人がランクを選び直したときに動く
  • 後付け部分のうちサービス料と消費税は率で乗るため、人数が増えると、増加額は商品代の増加分よりも大きくなる
  • 見積が上がること自体は、二人が選んだ結果であることが多く、悪いことではない。受け取り方を分けるのは、差を決める前に知っていたかどうか
  • 招待客一人当たりの費用は平均7.3万円(リクルートブライダル総研)。この単価を伝えておけば、人数が5人動いたときに総額が約36.5万円動くことは、決める前に分かる
  • 説明が後になって値引きで納めることになれば、弊社のサンプルで224,250円と算出した値引きの原資が、その分だけ減る

☑ 次にすること

  • 自社の初回見積に、計算人数と1名あたりの金額、そしてサービス料の率と対象項目が書かれているかを確かめる
  • 書かれていなければ、その数行を加えるところから始める
  • 業務委託のフリープランナーがいる場合は、口頭ではなく見積の様式に落とし込む

追加をなくす必要はありません。追加が、新郎新婦にとって予定どおりの出来事になっていれば十分です。

用語解説

用語 意味
初回見積 ブライダルフェアや会場見学の際に、最初に提示する見積のことです
最終見積 施行前に内容を確定させ、請求額を確定させる見積のことです
人数連動部分 招待客の人数に比例して金額が動く項目のことです
選択部分 ランクやグレードの選択によって金額が動く項目のことです
サービス料 料理や飲物などの金額に、一定の率を掛けて加算する料金のことです
持込料 提携先以外から商品やサービスを持ち込む際に、施設が受け取る料金のことです
介添料 当日に新婦の身の回りの世話や進行の補助を行う担当者に対する料金のことです
主体収入 料理や飲物のように、婚礼施設が中心的に提供する商品から得る収入のことです
付帯収入 衣裳や装花のように、提携先の商品を介して得る収入のことです
粗利率 売上に対する売上総利益の割合のことです
有利誤認表示 価格その他の取引条件について、実際のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示のことです
一人当たり費用 挙式と披露宴の費用総額を、招待客人数で割った金額のことです

出典一覧

※ このブログは2026年10月5日時点で公表されている内容に基づいています。調査結果は全国平均であり、個々の会場の単価や構成を示すものではありません。原価率と粗利率の数値は、弊社代表によるセミナーで用いた60名の披露宴のサンプルであり、実際の数値は会場ごとに異なります。

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株式会社永光 代表取締役 高橋龍一

執筆者

株式会社永光 代表取締役 高橋 龍一

婚礼の現場とフリーのウエディングプランナーを経て、2018年からウエディングプランナーの業務委託サービス「プラスワン・プランナー」を運営しています。

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