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2025年の婚姻件数、確定数を読む

生成りの背景の右下に淡い薄紅色の三角形の面、左に「2025年の婚姻件数、確定数を読む」の題字と「速報・概数・確定数と都道府県別の増減」の副題、右に「確定数は48万9,158組」「速報との差は約1万6千件」「増えたのは東京と大阪」の3項目、右下にプラスワン・プランナーのロゴ

このブログの概要|読了目安:約9分

2025年の婚姻件数は、厚生労働省が2026年9月30日に公表した確定数で48万9,158組でした。前年の確定数より4,066組多く、2年続けて増えています。ただし、増えた分は東京都と大阪府に偏っており、26の府県では前年より減っています。

婚姻件数には、速報・概数・確定数という3つの公表値があり、同じ2025年でも速報は50万5,656件、確定数は48万9,158組と、1万6千件あまりの差があります。なぜなら、3つは集計する範囲が違うからです。そのため、婚礼施設が計画に婚姻件数を使うときは、どの数字を使い、何と比べるかを先に決めておく必要があります。

このブログでは、厚生労働省の原資料をもとに、3つの公表値の違い、都道府県別の増減、2026年に入ってからの速報を確かめ、施設の計画にどの数字を使えばよいかを示します。2026年5月7日のブログ「読解・ブライダル市場①〜マーケティング」で、婚姻件数は挙式・披露宴の市場の大きさを左右すると書きました。なぜなら、結婚式を挙げる組数は、まず結婚する組数に左右されるからです。だから今回は、その婚姻件数の最新の確定数を読み解き、計画の前提にどう使うかまで進めます。

■ このブログでわかること

  • 2025年の婚姻件数の確定数と、2019年からの推移
  • 速報・概数・確定数の違いと、速報が多く出る理由
  • 都道府県別に見た、2025年の婚姻件数の増減
  • 2026年1〜7月の速報の動き
  • 婚礼施設の計画に、どの数字をどう使えばよいか

2025年の婚姻件数

厚生労働省の「令和7年(2025)人口動態統計(確定数)の概況」によれば、2025年の婚姻件数は48万9,158組です。前年の確定数48万5,092組より4,066組増え、婚姻率(人口千人あたりの婚姻件数)は4.0から4.1に上がりました。

2019年からの推移は、図1のとおりです。2025年は2年続けて増えましたが、2022年の50万4,930組にはまだ届いていません。

婚姻件数の推移(確定数・2019〜2025年)単位:組59万9,0072019年52万5,5072020年50万1,1382021年50万4,9302022年47万4,7412023年48万5,0922024年48万9,1582025年厚生労働省「令和7年(2025)人口動態統計(確定数)の概況」より作成
婚姻件数の推移(確定数・2019〜2025年)単位:組59万9,0072019年52万5,5072020年50万1,1382021年50万4,9302022年47万4,7412023年48万5,0922024年48万9,1582025年厚生労働省「令和7年(2025)人口動態統計(確定数)の概況」より作成
図1 婚姻件数の推移(確定数・2019〜2025年)

2026年5月7日のブログ「読解・ブライダル市場①〜マーケティング」では、2024年の増加について、長期の流れが変わったのではなく、前年の落ち込みからの揺り戻しと見るのが妥当だと書きました。なぜなら、少子化・晩婚化・非婚化という婚姻件数を押し下げる要因は、1年で変わるものではないからです。2025年の確定数もその見方と矛盾せず、2年続けて増えたあとも、水準は2022年を下回っています。

✔ ここがポイント

  • 2025年の婚姻件数は、確定数で48万9,158組です
  • 前年より4,066組増え、2年続けて増えています
  • それでも、2022年の50万4,930組には届いていません

速報・概数・確定数の違い

婚姻件数を調べると、同じ年でもいくつもの数字が出てきます。これは誤りではなく、厚生労働省が人口動態統計を3つの段階で公表しているからです。2025年の3つの公表値は、図2のとおりです。

2025年の婚姻件数、3つの公表値速報50万5,656件公表:2026年2月26日日本人に加え、日本にいる外国人、海外の日本人、前年以前の分を含む概数48万9,119組公表:2026年6月3日日本にいる日本人だけを集計確定数48万9,158組公表:2026年9月30日概数に修正を加えたもの(年1回・最終の値)厚生労働省「人口動態統計速報(令和7年12月分)」「令和7年人口動態統計月報年計(概数)の概況」「令和7年(2025)人口動態統計(確定数)の概況」より作成
2025年の婚姻件数、3つの公表値速報50万5,656件公表:2026年2月26日日本人に加え、日本にいる外国人、海外の日本人、前年以前の分を含む概数48万9,119組公表:2026年6月3日日本にいる日本人だけを集計確定数48万9,158組公表:2026年9月30日概数に修正を加えたもの(年1回・最終の値)厚生労働省「人口動態統計速報(令和7年12月分)」「令和7年人口動態統計月報年計(概数)の概況」「令和7年(2025)人口動態統計(確定数)の概況」より作成
図2 2025年の婚姻件数、3つの公表値

3つの違いは、厚生労働省の「確定数の概況」の利用上の注意に、次のように書かれています。

公表値 集計する範囲 年間の公表時期
速報 市区町村が作った調査票の枚数。日本にいる日本人と外国人、海外にいる日本人、前年以前に起きた分を含む 翌年2月
概数 日本にいる日本人の、その年に起きた分 翌年6月
確定数 概数に修正を加えたもの 翌年9月

つまり、速報は範囲が広く、概数と確定数は範囲が同じです。そのため、概数と確定数の差は2025年で39組と小さく、速報と確定数の差は大きくなります。

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速報が多く出る理由

速報と確定数の差は、2025年で1万6,498件です。この差のほとんどは、確定数に含まれない婚姻で説明できます。「確定数の概況」の別表には、確定数とは別に、次の婚姻件数が載っています。

  • 日本にいる外国人同士の婚姻:6,151組
  • 海外にいる日本人の婚姻:1万244組
  • 前年以前に起きた婚姻:7組

確定数の48万9,158組にこの3つを足すと、50万5,560組になり、速報の50万5,656件とほぼ同じになります。ただし、速報は調査票の枚数を数えたもので、確定数とは作り方が違うため、完全には一致しません。

! 前年比は同じ種類同士で

  • 速報の50万5,656件と、前年の確定数の48万5,092組を比べると、実際より大きく増えたように見えます
  • 前年と比べるときは、速報同士、確定数同士で比べます

この点は、施設の計画に関わります。なぜなら、海外にいる日本人の婚姻は、国内の婚礼施設の市場とは結びつきにくいからです。日本にいる日本人の婚姻を数えた概数と確定数のほうが、国内の市場の大きさを見る数字として向いています。

弊社ブログの2つの数字

同じ年に複数の数字があることは、弊社のブログにも表れています。2024年の婚姻件数を、2026年9月17日のブログ「結婚式場の倒産と休・廃業 2026〜推移と主な事例」は概数の48万5,063組で、2026年5月7日のブログ「読解・ブライダル市場①〜マーケティング」は確定数の48万5,092組で書いています。

どちらも誤りではありません。なぜなら、前者は概数、後者は確定数を出典にしているからです。前年からの増加も、概数では1万322組、確定数では1万351組と、少しずれています。

一方で、2024年の速報は49万9,999件でした。この数字は確定数の48万5,092組より1万4,907件多く、範囲の違う数字です。「約50万組」という数字を見たら、まず速報なのか確定数なのかを確かめることをおすすめします。

増えたのは東京と大阪

全国で4,066組増えたといっても、すべての地域で増えたわけではありません。令和6年と令和7年の「確定数の概況」の第4表で都道府県別に比べると、増えたのは21都道府県、減ったのは26府県でした。

都道府県別の婚姻件数の増減(2024年→2025年・確定数)47都道府県全国 +4,066増加 21減少 26増えた数が多い4都府県東京+3,069大阪+1,268神奈川+677千葉+446減った数が多い4県岐阜−212三重−189新潟−182茨城−179厚生労働省「令和7年(2025)」「令和6年(2024)」人口動態統計(確定数)の概況 第4表より作成(婚姻は夫の住所で集計)
都道府県別の婚姻件数の増減(2024年→2025年・確定数)47都道府県全国 +4,066増加 21減少 26増えた数が多い4都府県東京+3,069大阪+1,268神奈川+677千葉+446減った数が多い4県岐阜 −212三重 −189新潟 −182茨城 −179厚生労働省「令和7年(2025)」「令和6年(2024)」人口動態統計(確定数)の概況 第4表より作成(婚姻は夫の住所で集計)
図3 都道府県別の婚姻件数の増減(2024年→2025年・確定数)

増えた数が最も多いのは東京都の3,069組、次が大阪府の1,268組です。この2都府だけで4,337組増えており、全国の増加分の4,066組を上回ります。つまり、東京都と大阪府を除く45道府県を合わせると、婚姻件数は271組減っています。

そのため、全国の数字だけを見て「市場が持ち直した」と判断するのは早計です。施設が商圏にしている都道府県が、増えた21都道府県と減った26府県のどちらに入るかで、2025年の見え方は変わります。

! 都道府県別は夫の住所で数える

  • 確定数の都道府県別は、婚姻した夫の住所で集計されています
  • 結婚式を挙げた場所や、妻の住所ではありません
  • 自施設の商圏を見るときは、近隣の都道府県もあわせて確かめます

近畿2府4県の増減

例として、近畿の2府4県を見ると、同じ地方でも動きが分かれています。大阪府が3.2%増えた一方で、和歌山県は5.2%、京都府は1.6%減りました。

府県 2024年 2025年 増減 増減率
滋賀県 5,304 5,327 +23 +0.4%
京都府 9,037 8,891 −146 −1.6%
大阪府 39,387 40,655 +1,268 +3.2%
兵庫県 19,676 19,734 +58 +0.3%
奈良県 3,856 3,910 +54 +1.4%
和歌山県 2,966 2,812 −154 −5.2%

※ 単位は組です。令和6年・令和7年の「確定数の概況」第4表から作成し、増減率は小数第2位を四捨五入しました。

隣り合う府県でも増減の向きが違うのは、全国の動きが地域ごとに一様ではないからです。だから、施設の計画では、全国の前年比ではなく、自施設の商圏の都道府県の確定数を見るほうが、実態に近い前提になります。

✔ ここがポイント

  • 全国の増加分は、東京都と大阪府の増加で説明できます
  • 26府県では、2025年の婚姻件数が前年より減っています
  • 計画の前提には、自施設の商圏の都道府県の数字を使います

2026年の速報

2025年の確定数が出た一方で、2026年に入ってからの動きは速報で見ることができます。厚生労働省が2026年9月25日に公表した「人口動態統計速報(令和8年7月分)」によれば、2026年1〜7月の婚姻件数は27万8,746件で、前年同期の29万7,325件より1万8,579件(6.2%)少なくなっています。

2026年の速報、1〜7月と7月の婚姻件数1〜7月の累計29万7,3252025年27万8,7462026年前年同期より1万8,579件(6.2%)少ない7月の1か月4万7,9832024年5万8,7642025年3万9,7672026年前年同月より1万8,997件(32.3%)少ない厚生労働省「人口動態統計速報(令和8年7月分)」「同(令和7年7月分)」より作成(速報同士の比較)
2026年の速報、1〜7月と7月の婚姻件数1〜7月の累計29万7,3252025年27万8,7462026年前年同期より1万8,579件(6.2%)少ない7月の1か月4万7,9832024年5万8,7642025年3万9,7672026年前年同月より1万8,997件(32.3%)少ない厚生労働省「人口動態統計速報(令和8年7月分)」「同(令和7年7月分)」より作成(速報同士の比較)
図4 2026年の速報、1〜7月と7月の婚姻件数

特に7月の1か月は3万9,767件で、前年同月の5万8,764件より1万8,997件(32.3%)少なくなりました。2025年7月の速報は、その前年の2024年7月の4万7,983件より多く、2026年7月はその2024年7月も下回っています。速報の資料には、この増減の理由は書かれていません。

この数字は速報同士の比較なので、範囲の違いによるずれはありません。2025年は2年続けて増えましたが、2026年の1〜7月の速報は前年を下回っており、2026年も増えるとは言えない状況です。2026年の年間の速報は2027年2月、確定数は2027年9月に公表される予定です。

計画に使う数字

ここまでの内容をまとめると、婚礼施設が婚姻件数を使う場面ごとに、使う数字は4つの場面で分けられます。

使う場面 使う数字 理由
年度計画・中期計画の前提 確定数 日本にいる日本人の婚姻を数えた、最終の値だから
商圏の市場の大きさ 確定数の都道府県別 全国と地域で動きが違うから
その年の足元の動き 速報の1月からの累計 毎月、調査月の約2か月後に出るから
前年との比較 同じ種類同士 種類が違うと範囲が違うから

なお、2025年の都道府県別の婚姻率は、2026年11月に公表される予定です。都道府県ごとの人口の違いをならして比べたい場合は、その公表を待つ必要があります。

婚姻件数は、婚姻届が受理された組数であり、結婚式を挙げた組数ではありません。それでも、挙式・披露宴の市場の大きさの前提になる数字です。だから、どの数字を使ったかを社内の資料に書き添えておけば、前年の資料と比べるときに、範囲の違う数字を比べる誤りを防げます。

☑ 社内の資料で確かめること

  • 事業計画や社内資料に書いた婚姻件数が、速報・概数・確定数のどれか
  • 前年と比べている数字が、同じ種類同士になっているか
  • 自施設の商圏の都道府県が、2025年に増えたか減ったか
  • 2026年の速報の1月からの累計が、前年をどれだけ下回っているか

よくある質問

Q婚姻件数は、結婚式を挙げた組数ですか

A結婚式を挙げた組数ではありません。婚姻件数は婚姻届が受理された組数で、結婚式を挙げたかどうかは含みません。

Q速報の数字は使わないほうがよいですか

A使ってかまいません。速報は毎月出るので、速報同士で前年と比べれば、確定数より早く動きをつかめます。

Q2025年の都道府県別の婚姻率は、いつわかりますか

A厚生労働省は、2026年11月に公表する予定としています。全国の婚姻率4.1は、すでに確定数の概況に載っています。

まとめ

このブログでは、2025年の婚姻件数を、厚生労働省が2026年9月30日に公表した確定数で読み解きました。確定数は48万9,158組で、前年より4,066組増え、2年続けて増えています。ただし、増えた分は東京都と大阪府に偏っており、26府県では前年より減りました。

また、婚姻件数には速報・概数・確定数の3つがあり、2025年の速報は確定数より1万6,498件多く出ています。これは、速報が日本にいる外国人や海外にいる日本人の婚姻も含むからです。そのため、施設の計画には確定数を使い、前年と比べるときは同じ種類同士で比べることが大切です。さらに、2026年1〜7月の速報は前年同期を6.2%下回っています。

■ このブログの要点

  • 2025年の婚姻件数は、確定数で48万9,158組でした
  • 速報は範囲が広く、確定数より1万6千件あまり多く出ます
  • 全国の増加分は東京都と大阪府に偏り、26府県では減っています
  • 2026年1〜7月の速報は、前年同期より6.2%少なくなっています

☑ 次にすること

  • 社内の資料の婚姻件数が、どの公表値かを確かめる
  • 自施設の商圏の都道府県の確定数を、前年と比べる
  • 2026年の速報の累計を、毎月の公表に合わせて確かめる

全国の数字ではなく自施設の商圏の数字を見ることが、来年の計画の前提を正しく置くための最初の作業になります。

用語解説

用語 意味
人口動態統計 厚生労働省が、出生・死亡・婚姻・離婚・死産を集計する国の統計です
速報 市区町村が作った調査票の枚数を数えた値です。外国人や海外の日本人の分も含みます
概数 日本にいる日本人の分を集計した値です。年間の値は翌年6月に公表されます
確定数 概数に修正を加えた最終の値です。年間の値は翌年9月に公表されます
婚姻件数 その年に婚姻届が受理された組数です
婚姻率 人口千人あたりの婚姻件数です
商圏 施設に来館する新郎新婦が住んでいる地域の範囲です

出典一覧

株式会社永光 代表取締役 高橋龍一

執筆者

株式会社永光 代表取締役 高橋 龍一

婚礼の現場とフリーのウエディングプランナーを経て、2018年からウエディングプランナーの業務委託サービス「プラスワン・プランナー」を運営しています。

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