女性プランナーの活躍を支援する ~ 婚礼施設が取り組むべきこと

はじめに:問題提起
結婚式は、人生におけるとても大切な通過儀礼の一つです!
その特別な日をプロデュースするのが、ウエディングプランナーです。顧客の夢を叶え、感動を創造する、とてもやりがいのある仕事です。
しかし、結婚や出産を機に、ウエディングプランナーの仕事を諦めてしまう女性が多いのが現状です。厚生労働省の「令和3年雇用均等基本調査」によると、女性の離職理由のトップは次のとおりです。
- 「結婚」24.1%
- 「出産」22.4%
- 「育児」17.8%
このように、ライフイベントが女性のキャリア継続を阻む大きな要因となっています。(出典:厚生労働省「令和3年雇用均等基本調査」)
婚礼施設が、女性ウエディングプランナーにとって働きやすい環境を提供し、彼女たちの才能を活かし続けることの重要性は、ますます高まっています。
働き方について
女性ウエディングプランナーが、結婚、出産、育児といったライフステージの変化に直面しても、安心して働き続けられるためには、柔軟な働き方ができる環境が必要です。時間や場所にとらわれず、それぞれのライフスタイルに合わせた働き方を実現できるような制度を導入することで、女性プランナーは仕事へのモチベーションを維持し、能力を最大限に発揮することができます。
柔軟な勤務体系
次のような多様な働き方を導入し、それぞれのライフスタイルに合わせた働き方を実現しましょう。
- 時短勤務
- フレックスタイム制
- リモートワーク
リクルートブライダル総研の調査によると、結婚式の準備期間は平均で7ヶ月と言われており、その間、ウエディングプランナーは顧客と密に連絡を取り合い、打ち合わせを重ねる必要があります。(出典:リクルートブライダル総研「結婚トレンド調査2022」)
柔軟な働き方を実現することで、妊娠中や育児中の女性プランナーも、安心して仕事を続けやすくなります。
休暇取得の推奨
女性プランナーが、結婚・出産・育児などのライフイベントに際して、必要な休暇を取得しやすい雰囲気づくりを心がけましょう。次のような休暇の取得を推奨し、取得実績を公表することで、休暇を取得しやすい環境を作ることも重要です。
- 育児休業
- 介護休業
- 生理休暇
業務分担の見直しと属人性の廃止
一人ひとりに仕事が属人的に割り当てられる業務体制を見直し、個人の過度な負担を軽減するような工夫をしましょう。チーム全体で業務を分担し、協力し合う体制を構築することで、個人の負担を軽減することができます。
妊娠・出産・育児期の働き方
妊娠中の女性ウエディングプランナーの体調変化に対応できるような、柔軟な勤務体制を整備しましょう。産休・育休からのスムーズな復職を支援するプログラムを導入し、復職後も安心して働ける環境を整えましょう。
育児中のプランナーが、保育と仕事を両立しやすいようなサポート体制を充実させましょう。特に、営業事務やバックサポートではなく、ウエディングプランナーとして復帰できる働き方の模索と構築が必要です。
あわせて読みたいブログ:ブライダル業界の採用競争力〜退職金制度を考える
意識改革
個々の意識改革も、女性ウエディングプランナーが働きやすい環境を作る上で重要な要素です。「女性だから」という固定観念を捨て、女性プランナーの能力や個性を尊重することで、彼女たちはより自信を持って仕事に取り組むことができます。また、女性同士が互いに支え合い、助け合う風土を育むことも大切です。
なぜ「女性」に限定するのか?
女性が働きやすい環境は、すべての人にとって働きやすい環境でもあるからです!
男性も育児休暇を取得しやすくする、介護休暇制度を充実させるなど、男女ともに働きやすい環境を作ることで、結果的に女性が働きやすくなります。女性の社会進出を支援することは、社会全体の活性化に繋がります。
ジェンダーバイアスの排除
女性ウエディングプランナーだから、という理由で、特定にキャリアパスを阻害するようなことがあってはいけません。女性プランナーの立場やポジションの扱いを、男性プランナーと同等にしましょう。
女性同士の支え合いの重要性
女性同士のハラスメントや、女性同士の摩擦が、女性の働きやすさを阻害する問題となるケースもあります。
女性ならではの悩みや課題を共有し、解決策を共に探る場を設けることも有効です。
アンコンシャスバイアスへの理解
アンコンシャスバイアスとは、無意識のうちに持っている偏見や固定観念のことです。
例えば、「女性は結婚したら家庭に入るべきだ」といった考えや、「男性はリーダーシップがあるべきだ」といった考えが無意識のうちに存在し、それが行動や意思決定に影響を与えることがあります。アンコンシャスバイアスは、誰にでも存在する可能性があり、自分自身では気づきにくいという特徴があります。
管理職や人事担当者は、アンコンシャスバイアスについて正しい知識を身につけ、理解を深める必要があります。アンコンシャスバイアスによる不公平な評価や待遇を防ぐための研修などを実施しましょう。
具体的な例としては、昇進の際に、男性社員は「将来性がある」と評価される一方で、女性社員は「家庭との両立が難しい」と評価される、といったケースが挙げられます。
多様なキャリアパスの尊重
結婚や出産後も、ウエディングプランナーとしてキャリアを継続したい女性を支援する制度やプログラムを導入しましょう。営業事務やバックサポート以外にも、次のような多様なキャリアパスを認め、それぞれの選択を尊重しましょう。
- マネジメント
- スペシャリスト
- フリーランス
支援体制
女性ウエディングプランナーが安心して働き続けられるよう、婚礼施設は様々な支援体制を整える必要があります。 チームワークを強化し、互いに助け合える環境を作るだけでなく、保育やキャリアに関する相談窓口を設けるなど、きめ細やかなサポートを提供することで、女性プランナーは安心して仕事と家庭を両立させることができます。
チーム体制の強化
ウエディングプランナー同士が協力し合い、業務を分担できるようなチーム体制を構築しましょう。チーム内で情報共有やコミュニケーションを円滑に行うためのツールや仕組みを導入しましょう。
業務の標準化・マニュアル化
これがいちばん大事な部分ですが、業務内容を可視化し、誰でも理解しやすいようにマニュアル化を進めましょう。これができていない婚礼施設が非常に多いことが問題です。定期的にマニュアルを見直し、最新の状態に更新しましょう。
ITツールの活用
業務効率化に役立つITツールを積極的に導入し、活用しましょう。また導入だけでなく、ウエディングプランナーがITツールを使いこなせるように、丁寧な研修を実施しましょう。ツールの導入が目的化している婚礼施設が多く見受けられるので、ツールは業務改善の「手段」と認識し、業務が円滑に進むための最適なツールの選択と絞り込みをしましょう。
外部人材の活用
繁忙期や人手不足の際には、外部のフリーランスプランナーや派遣社員を活用しましょう。外部人材を活用することで、既存のプランナーの負担を軽減し、より柔軟な働き方を実現することができます。
休職・復職支援制度の充実
女性ウエディングプランナーが安心して休職・復職できるような制度を整備しましょう。復職後のキャリアプランについて、相談できる窓口やサポート体制を用意しましょう。
保育支援
これは資金力がないと難しいですが、次のような保育に関する支援制度を充実させましょう。
- 企業内保育所の設置
- 提携保育所の設置
- 保育料補助
また職場に子どもを連れてきてもいいような環境整備を構築していくことも今後大切な要素になる可能性もあります。女性ウエディングプランナーが、保育の心配なく仕事に集中できる環境を整えましょう。
キャリアカウンセリング
女性ウエディングランナーのキャリアに関する悩みや不安を相談できる窓口を設けましょう。次のようなことについて、専門的なアドバイスを提供できる体制を整えましょう。
- キャリアプランニング
- スキルアップ
- ワークライフバランス
メンター制度
女性ウエディングプランナーが、経験豊富な先輩社員から指導やアドバイスを受けられるメンター制度を導入しましょう。ロールモデルとなる女性管理職を育成し、キャリアアップを支援しましょう。
まとめ
女性プランナーの継続的な就労は、婚礼施設にとって、次のような多くのメリットをもたらします。
- 顧客満足度向上
- 企業イメージ向上
- 人材の確保・定着
婚礼施設全体で、女性プランナーの活躍を支援する体制を構築することは、企業の成長と発展に不可欠です。
■ このブログの要点
- 女性の離職理由のトップは「結婚」(24.1%)、「出産」(22.4%)、「育児」(17.8%)
- 働き方:柔軟な勤務体系、休暇取得の推奨、業務分担の見直しと属人性の廃止、妊娠・出産・育児期の働き方
- 意識改革:ジェンダーバイアスの排除、女性同士の支え合い、アンコンシャスバイアスへの理解、多様なキャリアパスの尊重
- 支援体制:チーム体制、業務の標準化・マニュアル化、ITツール、外部人材、休職・復職支援、保育支援、キャリアカウンセリング、メンター制度
☑ 次にすること
- 自社の現状を振り返り、改善点を見つける
- 業務内容を可視化し、誰でも理解しやすいようにマニュアル化を進める
- ウエディングプランナーとして復帰できる働き方を模索し、構築する
しかし、女性活躍を推進する取り組み自体が、「フェミニズム」や「ミサンドリー」といった言葉で語られることもしばしばあります。
- フェミニズムとは、女性解放思想、または女性解放運動を指します。女性の権利向上、男女平等の実現を目指し、社会における性差別の撤廃を訴えます。
- ミサンドリーとは、男性嫌悪、男性蔑視を意味します。男性に対する偏見や差別意識を持ち、男性を劣った存在として扱うことを正当化します。
次のような反発や抵抗感から、これらの取り組みを「ミサンドリー」と決めつけるような言説が見られることがあります。
- 女性の権利を主張することへの反発
- 女性が活躍することへの反発
- 女性を優遇することへの抵抗感
しかし、こうした偏見や誤解は、女性差別を生み出す土壌となり、女性の社会進出を阻害する要因となります。真に女性が活躍できる社会を実現するためには、こうした社会構造的な問題にも目を向け、意識改革を進めていく必要があります。
多様な意見を尊重する姿勢
このブログ記事では、女性ウエディングプランナーの働きやすさに焦点を当てていますが、それは特定のイデオロギーを推進するものではありません。多様な意見や価値観を尊重し、すべての人が働きやすい環境を作ることを目指しています。
このブログをお読みいただいた方への語りかけ
- 上記の問いかけを参考に、自社の現状を振り返り、改善点を見つけるきっかけにしてください。
- 女性ウエディングプランナーが、やりがいを感じながらももっと長く働き続けられる、より良い婚礼施設を目指しましょう!
参考資料
- 厚生労働省「令和3年雇用均等基本調査」
- リクルートブライダル総研「結婚トレンド調査2022」
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執筆者
株式会社永光 代表取締役 高橋 龍一
婚礼の現場とフリーのウエディングプランナーを経て、2018年からウエディングプランナーの業務委託サービス「プラスワン・プランナー」を運営しています。
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