結婚式場の企業価値と経営理念

はじめに
こんにちは、株式会社永光の高橋です。結婚式場で働くウエディングプランナーの皆さんは、毎日新郎新婦と接していて、「どうしたら、うちの会場を選んでくれるだろう?」「どうしたらもっと満足してもらえるのだろう?」と考えることがあるのではないでしょうか。
本ブログでは、そんな疑問に「のれん」という財務会計の少し難しそうな分野の考え方を使って答えてみたいと思います。
でも安心してください。できるだけわかりやすく、皆さんの日常の仕事に役立つ内容にしていきます。一つ一つの結婚式での新郎新婦の体験が、実は会社全体の価値にどうつながっているのか、その仕組みを一緒に見ていきましょう。
まず知っておきたい「のれん」って何?
さて冒頭にもでましたが皆さんは、「のれん」という言葉を聞いたことはありますか?お店の入り口にかかっている布のことではありません。ここでは、会社の価値を表す専門用語として覚えておいてください。
例えば、街に2つのラーメン屋があるとします。どちらも同じような設備や材料を使っているのに、一方は行列ができていて、もう一方はガラガラ。この違いは何でしょうか?
行列ができている方は、「味が美味しい」「接客が良い」「雰囲気が良い」など、目に見えない価値があるからです。この目に見えない価値が「のれん」なのです。
結婚式場で言えば、同じような設備があっても、「あの会場は素敵」「スタッフの対応が良い」「理想の結婚式ができそう」と思われている会場の方が、高い価値=のれんを持っているということになります。
経営理念が「のれん」の元になる!?
「のれん」について理解していただいたところで、とても大切なポイントをお話しします。
結婚式場における「のれん」とは何か?という話になるのですが、それは「経営理念」(会社が大切にしている考え方)そのものだということです。
例えば、「新郎新婦の一生に一度の大切な日に向けて、最大限の満足を提供する」という経営理念を持つ結婚式場があるとします。この理念がスタッフ全員に浸透していれば、次のような全てに温かさと丁寧さが表れるはずです。
- お客様への接し方
- 提案の仕方
- 当日の対応など
その結果、「あの会場は本当に親身になってくれる」「スタッフの皆さんが素敵」という評判が生まれ、それが会場の「のれん」になっていくのです。
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経営理念が「のれん」の元になるという考え方を理解していただいたところで、結婚式場でどのような価値の循環が起きているかを見てみましょう。

この図を見ていただくとわかるように、良いサイクルが回り続けることで、企業価値がどんどん高まります。つまり、価値の創造は循環しています。良い経営理念から始まって、最終的にはさらに強いブランド力に戻ってくる。
そしてそれがまた新しいお客様の期待を高めるという、終わりのない良いサイクルができあがるのです。
重要なのは、このサイクルの中で最も大切な部分は「結婚式での満足度」だということです。どれだけ素晴らしい経営理念があっても、実際の結婚式でお客様が満足できなければ、このサイクルは止まってしまいます。
新郎新婦の「期待」が実は会場の価値そのもの
価値の循環サイクルを理解していただいたところで、特に重要なポイントについて詳しく見ていきましょう。
新郎新婦がブライダルフェアに参加したり、どこかの会場で成約をしたとしても、まだ結婚式は行っていませんよね。でも、その時点で「この会場なら素敵な結婚式ができそう」「少し高くても、ここにお願いしたい」と思うのはなぜでしょうか?
それは、その会場に対する「期待」があるからです。そして、この期待こそが、実はその会場の「のれん」の正体なのです。
同じような設備でも、Aという会場とBという会場で見積もりが違うのは、新郎新婦が抱く期待の差です。より高い期待を持たれている会場の方が、高い価格でも選ばれるのです。
プランナーの皆さんが実は一番大切な役割を担っている
新郎新婦の期待が会場の価値だということを理解していただいたところで、プランナーの皆さんがいかに重要な役割を担っているかをお話ししたいと思います。
結婚式場では、プランナーを始めとして、次のような本当にたくさんの人が一つの結婚式に関わりますよね。
- 音響
- 照明
- 料理
- 装花
- 着付けなど
経営理念が「紙の上の言葉」で終わらず、実際に新郎新婦の心に届くかどうかは、皆さん一人ひとりの行動にかかっているのです。
先ほども挙げましたが例えば、「お客様の一生に一度の大切な日に向けて、最大限の満足を提供する」という経営理念がある会場で考えてみましょう。この理念が現場に浸透している会場では、プランナーが新郎新婦の小さな不安にも気づいて声をかけたり、スタッフがお客様の立場に立って細やかな配慮をしたりします。
こうした一つ一つの行動が、新郎新婦の「期待」を「満足」に変えていくのです。そして、その満足が口コミや評判となって、会場の「のれん」をさらに強くしていきます。
なぜ一つ一つの結婚式が会社の未来を決めるのか
プランナーの皆さんの重要な役割を理解していただいたところで、なぜ一つ一つの結婚式がこれほど大切なのかを整理してみましょう。
素晴らしい経営理念を持つ会場では、まずその理念が会場のブランド価値を生み出します。そのブランド価値が新郎新婦の期待を形成し、期待を上回る満足を提供することで、さらに強いブランド力が構築されていきます。ここまでは、いままでみてきた循環で理解いただけるはずです。
そしてここでより重要なのは、この良い循環が一つ一つの結婚式を通じてのみ実現されるということです。どれだけ素晴らしい経営理念を掲げていても、個別の結婚式での体験が期待を下回れば、会場の価値は下がってしまうからです。
逆に言えば、経営理念が現場に浸透し、一つ一つの結婚式で期待を上回る満足を提供し続けることができれば、会場のブランド価値は確実に成長していきます。
これが、結婚式場における持続的な価値創造のメカニズムなのです。
おわりに
本ブログでは、財務会計における「のれん」という少し難しい分野の考え方を使って、結婚式場での価値創造の仕組みを解き明かしてきました。
経営理念は単なる美しい言葉ではなく、会社の価値の源泉となる大切なものです。しかし、その価値は現場での実践を通じてのみ実現されます。一つ一つの結婚式での新郎新婦の体験が、会場全体のブランド価値を形成し、それが新たな期待を生み出すという循環構造を理解することで、本当の価値創造が可能になります。
結婚式場のウエディングプランナーの皆さんは、この価値創造の最前線で働いています。皆さんの日々の仕事が、新郎新婦の一生の思い出を作るだけでなく、会場の未来も決めているのです。経営理念を大切にし、それを一つ一つの結婚式で実践し続けることが、持続的な会場価値向上の鍵となるのです。
明日からの皆さんの仕事が、より一層輝いて見えることを願っています!
まとめ
財務会計の「のれん」の考え方で、結婚式場での価値創造の仕組みを見てきました。
■ このブログの要点
- 会社の価値 = 目に見える価値(建物、設備など)+ 目に見えない価値(のれん)
- 結婚式場における「のれん」の元は「経営理念」で、新郎新婦の「期待」こそがその正体
- プランナーの皆さんは、期待を満足に変える、会社の価値を創造する最前線にいる
- 良い循環は、一つ一つの結婚式を通じてのみ実現される
☑ 次にすること
- 経営理念を大切にし、それを一つ一つの結婚式で実践し続ける
- 新郎新婦の小さな不安にも気づいて声をかけ、期待を上回る満足を提供する
会場の未来は、今日行われる結婚式、明日行われる結婚式、一つ一つにかかっています。
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執筆者
株式会社永光 代表取締役 高橋 龍一
婚礼の現場とフリーのウエディングプランナーを経て、2018年からウエディングプランナーの業務委託サービス「プラスワン・プランナー」を運営しています。
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