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緊急提言〜持続可能な結婚式場経営のために

はじめに

弊社は、2025年は結婚式場の倒産が相次ぐ可能性があると年始より発信していましたが、残念ながらその見通しは現実化しています。その根拠の一つが、「コロナ融資の返済が本格化している」 という点です。

コロナ禍で実施されたゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)は、多くのブライダル企業の資金繰りを支えました。しかし、2024年から2025年にかけて据置期間が終了し、返済が本格化する企業が増えてきています。一方で、婚礼市場はコロナ前の水準には戻らず、資金繰りの厳しい企業が増加しています。

こうした状況の中、企業が取るべき施策と政府が行うべき対策について、弊社の見解を述べたいと思います。

コロナ融資の返済本格化が婚礼企業に与える影響

据置期間の延長は可能か?

  • 日本政策金融公庫の融資については、交渉次第で5年以上の元本据置が認められるケースもある
  • 民間のゼロゼロ融資(信用保証付き融資)は、原則5年が上限だが、リスケ交渉により一定の猶予を得ることは可能
  • しかし、金融機関の判断次第であり、すべての企業が延長を認められるわけではない

借換は有効か?

  • 「コロナ借換保証制度」を利用すれば、返済期間を延ばすことは可能
  • しかし、その分総返済額(元本+利息)は増えるため、単なる先延ばしにもなりかねない
  • 借換審査は厳しく、業績回復の見込みがないと通らない可能性もある

企業の対応状況

  • 2023年から早めに借換やリスケ交渉を進めた企業もある
  • 一方で、2024年に入り、据置期間終了直前になって慌てて交渉を始める企業も多い

婚礼企業は、借換、リスケ、事業再編、M&Aなど、待ったなしの経営判断が必要な局面に立たされているのが現実です。

ゼロゼロ融資は再度実施すべきではないか?

弊社は、現在の状況を考えれば、政府がもう一度ゼロゼロ融資と同じスキームで救済策を講じるべきだと考えています

ゼロゼロ融資の財源は?

  • 政府が赤字国債を発行し、日銀が市場で間接的に買い入れる形を取っていた
  • これは事実上の通貨発行(マネタイゼーション)といえる
  • すなわち、税金で賄ったわけではないため、「将来の国民の負担」には本来ならない

なぜもう一度実施すべきなのか?

  • ゼロゼロ融資によるインフレは発生していない(現在のインフレは別要因)
  • 資金繰りが厳しい企業が増えている中、返済猶予や借換保証だけでは不十分
  • 国債発行による新たな支援を行えば、企業倒産を防ぎ、経済の縮小を避けられる

「国民のツケ」にはならない理由

  • 「国の借金=国民の借金」という考え方は誤り
  • 政府の債務は国民の資産でもあり、問題は「どのようにマネーを供給するか」
  • 財政均衡を気にしすぎて救済を遅らせれば、逆に経済が悪化し税収も減る

ゼロゼロ融資と同じ仕組みで、再び実質無利子・無担保融資を実施すれば、企業の負担は大きく軽減されます。財政的にも問題はなく、むしろ今こそ積極的な支援が必要です。

婚礼企業が取るべき施策と努力の方向性

弊社の社是でもありますが、婚礼業界の生き残りには以下の2つの変革が不可欠だと考えています。

1. 婚礼施設の利益構造を変革し、「箱貸しビジネス」へ

  • 従来のフルパッケージ型ウエディング=「装置産業」から脱却し、箱貸しを中心にする
  • 新郎新婦が自由にベンダーやプランナーを選べる仕組みを整え、自由度を高める

2. プランナーの働き方を変革し、「フリーランス化」へ

  • 社員はオペレーションスタッフとしてマネジメントと運営に特化し、ウエディングプランナーはフリープランナーをベースとする
  • 婚礼施設は「箱の価値最大化」に勤しみ、フリープランナーは「顧客価値の最大化」に集中する

この2つの施策を企業努力で実践しつつ、政府の救済策(資本支援)を活用し、利益構造の転換を加速させることが重要です。

おわりに

2025年、ブライダル業界はかつてない変革を求められています。コロナ融資の返済が本格化する中、企業は単なる延命ではなく、新たな利益構造の構築に取り組むべき局面にあります。

弊社は、「箱貸しビジネスモデルの確立」「ウエディングプランナーのフリーランス化」を推進していくことこそが、ブライダル業界にとってベストな方向性だと思います。そして、政府にも、単なる返済猶予ではなく、「成長のための資本支援」 を実施することを強く求めます。

これからの婚礼業界は、「待つ」企業ではなく、「変革する」企業だけが生き残る時代に入っています。今こそ、未来を見据えた経営判断が必要です。

(文責;高橋龍一)

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