結婚式場運営における「個」と「全体最適」の二面性

1. はじめに:結婚式場運営の複雑性
結婚式場運営は、顧客満足度の向上や効率的な経営、多様なニーズへの対応と同時に、従業員それぞれの「個」への配慮も求められるとても難易度の高い仕事です。その中でもとりわけ、「個の尊重」と「全体最適」という二つの要素がしばしば衝突します。
ここでいう「個」には、プランナーやスタッフ一人ひとりの価値観と、新郎新婦ごとの希望やニーズが含まれます。一方、「全体」とは、会社全体の利益や、すべての新郎新婦の幸せを指します。これらが時に矛盾し、衝突することで二面性が生じるのです。
この二面性を理解し、適切にバランスを取ることが、今後の結婚式場運営における長期的な成功の鍵となっていくと思います。本日はそんな観点からのブログです。
Index
2. 「個」の二つの側面
まずはじめに「個」についてですが、「個」には以下の二つの側面があるのではないでしょうか?
1.従業員一人ひとりの個
プランナーやスタッフそれぞれが、独自の価値観や顧客への想いを持っています。
たとえば、あるウエディングプランナーが「顧客の希望を最優先すべき」と考える一方、上位職のマネージャーは「婚礼施設の制約やオペレーション、他の新郎新婦との兼ね合いがあるから、どれをとってどれを犠牲にするかを選択し、そのなかで顧客価値の最大化をはかるように最善を尽くすべき」と判断することもあります。
2.新郎新婦それぞれの個
また、当たり前ですが、結婚式は新郎新婦ごとに異なる希望やニーズがあります。
これに応えることが結婚式場の使命ですが、一部の新郎新婦の希望が他の顧客や式場全体のスケジュールに影響を与える場合もあります。
これらの「個」はどちらも尊重されるべきですが、時には相互に矛盾する場面が生じます。
3. 「全体」の二つの側面
他方で、「全体」にも以下の二つの側面があるといえます。
1.会社全体の利益
持続可能な経営のためには、会社全体の収益を確保することが不可欠です。
たとえば、持ち込みを制限し、外部業者の利用を制限することで自社利益やオペレーション・クオリティを守るなどの方針があります。
2.すべての新郎新婦の幸せ
また、式場を利用するすべての新郎新婦の満足というのも、「全体」の目標の重要な要素です。
ただし、持ち込み問題などに象徴されるように、「会社全体の利益」と「一部の新郎新婦の希望」が対立し、この対立が「すべての新郎新婦の幸せ」へとつながらない側面が発生することもあります。
4. 「個」と「全体最適」の衝突例
上でも触れたよう、結婚式場運営においては、「個」と「全体最適」の衝突が避けられない場面というのがたびたび生じます。
1.従業員の価値観と会社全体の利益の衝突
上でみた例とも重複しますが、あるプランナーが新郎新婦の要望に対して妥協せず対応した結果、サービス部門や料飲部門などに負担がかかり、全体の士気や効率性が低下する場合があります。
2.新郎新婦個別の希望と会社全体の利益の衝突
また持ち込み問題では、新郎新婦が外部業者の利用を希望する一方で、式場は自社利益やクオリティ・オペレーションを守るために持ち込みを制限することとなります。
この結果、顧客満足度が損なわれるリスクが生じることにつながります。
5. 二面性への対応と調和の工夫
こうした「二面性」は「原則的に生じるもの」という理解をすることは非常に大切な一方、放置することは「全体最適」には決してつながらないことになります。
よって、式場運営において大事なこちは、この二面性を自覚したうえで、それらを解消し、運営を円滑に進めるための工夫が必要になってきます。以下に簡単にその工夫に関して触れます。
1.柔軟な判断基準の導入
各ウエディングプランナーの価値観や新郎新婦の希望を尊重しつつ、全体の利益を損なわない判断基準を設ける。これは、大きな方針と細かい判断ポイントの両方の設定がマストです。
2.透明なコミュニケーション
制約や障壁の構造を全従業員がまずは理解し、物理的・感情的・利益的なものなのかに分別し、可視化することが大事です。そしてそれらを「新郎新婦に説明するための言葉」に置き換え全体で共有し、現実的な調整ポイントを探ることが必要です。これはたとえば、持ち込み問題などで必須のプロセスです。
3.バランスの取れた評価制度
また各スタッフの個々の貢献を評価する一方、それが全体に与える影響も考慮した多角的な評価を行うことで、公平性を保つことも大事です。個々の想いや行動が、全体という面ではどうなのか?あるいはその逆はどうなのかを常に相互フィードバックしていく視点が欠かせません。
6. 全体最適を追求する中での長期的なリスクへの対応
以上見てきたことからわかるように、「個」と「会社全体の利益」というのは、その本質からして相互衝突が起きやすい二面性が元から存在しています。
なので、結婚式場で働く人たちは立場やセクションを問わず、まずはそのことに強く自覚的であるべきで、そこが出発点ともいえます。
その観点を共有できれば、「個を優先する」、あるいは「全体利益を優先する」などの二者択一論からは脱却でき、短期的な収益目標と、長期的なブランド価値の双方を同時達成的に追求していくことができます。
7. 結論:結婚式場運営の未来へ
繰り返しになりますが、結婚式場運営においては、、「個の尊重」と「全体最適」が不可避的に衝突します。
この二面性を理解し、それぞれを調和させる仕組みを構築することで、顧客満足と経営効率の両立が可能となっていくと思います。
ぜひこの視点を取り入れていただき、従業員および新郎新婦の多様なニーズに対応するという「個」を尊重しながら、「会社全体の利益」も達成するという、持続的な成長を遂げる企業が増えていくことを切に願います!
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