新規接客における接客報酬と成約報酬の合理的な算出方法

はじめに
新規接客における報酬設定は、曖昧な「なんとなくの相場感や慣習」に基づく場合が多く、合理的な算出根拠に欠けているといえます!
また、会場プランナーと業務委託フリープランナーではコスト構造が異なるため、同一基準で評価することが難しいケースもあります。
そこで本ブログでは、接客フィーと成約フィーを合理的に算出する方法を解説し、加重平均コストを用いた評価によって、フリープランナーの活用を検討する合理的な指標を紹介したいと思います!さらに、成約率に応じて加算されるシンプルな報酬体系の提案なども通じて、業界のスタンダードとなりうる「合理的な相場感の形成」を目指したいと思います!会場経営者の方は、ぜひ一読ください!
1. 接客フィーと成約フィーの算出手順
(1) 営業利益率6%をベースとした総コスト目標の設定
まず、全体の収益性を確保するために、総コスト目標を設定します。
ここでは、ROI(投資収益率)の考え方ベースに、以下の公式を用います!

前提:
仮に、結婚式1組の売上300万円・営業利益率を6%と想定します。
分子に粗利を用いてもいいですが、それだと分子が大きくなりすぎます。
粗利率55%だとすると、粗利益が1組あたり165万になるので、この利益とコストを比較すると、1件成約するとフリープランナーへの外注費がペイされることになります。
これだと非現実的になってしまうことと、後に算出される成約報酬が非現実的な数字になること(40〜50万程度になる)のデメリットが生じます
なのでここで用いる分子は、「営業利益」が適切だと思います。
また、ROIは費用対効果を意味するため、1倍が損益分岐点なので、それを超える1.5倍を目標値とすることを前提に、ここでは算出していきます。
- 前提
- 結婚式1組売上;300万円とする
- 営業利益率;6%とする
- 接客数;フリープランナーの1ヶ月の接客数を20組とする
- 成約率と成約数;成約率を55%とし、成約数を11組とする

(2) 接客フィーは時間を根拠にフィーを算出可能
接客フィーは、仮に工数単価2,000円で、お出迎えからお見送りまでを4時間とすると、
単価2,000円*4時間=8,000円と想定できます。
なので、接客フィーは、時間に合理性を求めることができます。
(3) 成約フィーの計算
このブログでおつたえしたいことの真骨頂は「成約報酬」にあります。この算出根拠は、以下のようにして求めるのが最適ではないでしょうか?
- 接客フィー総額:160,000円(8,000円 × 20組)
- 交通費:40,000円 程度(8〜10日間、1往復4000円〜5,000円 × 10往復前後)

(4) キャンセルコストの算出
キャンセルコストとは、新規接客において、接客予定だった顧客が直前でキャンセルした場合に発生するコストを指します。
基準となる指標は、接客1件あたりのフィーで、ここでは8,000円を用いてキャンセルコストを計算します。

この計算により、キャンセルコストは、月当たり5,100円と算出されます。
(5) キャンセルコストを加味した成約報酬の最終調整
キャンセルコストも総コストに入れる必要があるため、ここでキャンセルコストを加味した場合の成約報酬の再計算を行います。

ここまで来ると、1件成約ごとの報酬は、「約10万」であることが算出されました!
2. 加重平均コストを用いた評価
(1) 加重平均コストとは?
加重平均コストとは、複数の異なるコストを、その割合(重み)に応じて平均化した値を指します。これにより、異なる条件下で発生するコストを統一的に比較・評価することが可能になります!
少し難しく感じるかもしれませんが、要は、会場プランナーとフリープランナーの新規接客におけるする場合1組あたりのコストパフォーマンスを図る指標と捉えていただければ大丈夫です!
(2) 会場プランナーの1組あたりコスト
まず前提として会場プランナーの1組接客コストを算出します。
会場プランナーは、当然ではありますがコストとして適正な指標は給与です。なので、給与をベースに接客コストを考えます。接客1件あたりのコストは以下の通りです。

会場プランナーの1組接客コストは、15,000円であることが算出できました。
(3) 加重平均コストの算出
では続いて、会場プランナーとフリープランナーの接客件数を揃えた状態で、成約率と1組あたりのコストを用いて加重平均コストを計算しますね!
- 会場プランナー:成約率30%、1組あたりコスト15,000円、成約6組
- 弊社プランナー:成約率55%、1組あたりコスト8,000円、成約11組

(4) 加重平均コストによる評価
加重平均コスト(10,471円)が会場プランナーの1組あたりコスト(15,000円)を大幅に下回っており、フリープランナーがコストパフォーマンスに優れていることが明確です。さらに、フリープランナーの1組あたりコスト(8,000円)は加重平均コストよりもさらに低く、コスト効率の面で顕著な優位性を示していることがわかりますね!
ここまで比較することで、外部のフリープランナーを導入することが妥当かどうかの判断材料にできるかと思います!
3. シンプルな報酬体系の提案
また、以下のようなシンプルかつ成果を適切に反映した報酬モデルを導入することも参考にしてみてください!
以下の報酬モデルは、成約率に応じて成約報酬を段階的に設定するものであり、成果に応じたより公平な報酬体系が実現します!
- ベース報酬:成約報酬10万円
→ 基準の成約報酬を保証し、ここには手をつけないようにします - 月間成約率60%~:成約報酬12万円
→ 基準の成約率を上回った場合のインセンティブを段階的につけます - 月間成約率80%以上:成約報酬15万円
→ 高い成果を上げた場合には、婚礼施設もさらなる営業利益を上積みできることから、フリープランナーの努力に見合った報酬を還元するという手法です
この報酬体系を導入する際の前提条件は、
- ベース報酬はいじらない、つまり下げない
- 純粋に上昇した場合にインセンティブを与えてあげる
- ただし月間接客件数と成約件数も同時に決めておいて、それと成約率が同時で達成できた場合に野みこのインセンティブを与えるなどの条件設定が重要となります。
そうでないと、婚礼施設側は余分な追加コストがかかるだけだからです。
まとめ
新規接客の報酬設定では、まず接客フィーと成約フィーを正確に算出し、キャンセルリスクを接客フィーに基づいて加味することが重要です。また、加重平均コストを用いることで、会場プランナーと外部プランナーのコストパフォーマンスを公平に評価し、合理的な報酬体系を構築できます!追加でインセンティブを導入することで、双方により合理性の高い報酬設定が可能となります!
ぜひ検討してみてください!
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