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箱貸し&業務委託化〜ダメな例と良い例〜

はじめに

弊社は、今後の結婚式場の経営においては、「箱貸し」と「業務委託化」を組み合わせて導入していくことの必要性を過去何度も説いています。そのためには、持ち込みに対しての柔軟性を確保し、フリーランスのウエディングプランナーと契約することが重要です。それにより、顧客トレンドに適応できる運営が可能になると考えるからです。しかし、これらを単に導入するだけでは、会場のクオリティが下がり、ブランド価値が損なわれるリスクもあります。

つまりは、「とりあえず持ち込みOKにすればいい」「人手不足を補うためにフリーのプランナーと契約すればいい」と安直な考えに基づいて主張しているのではないということです。 本来、箱貸しや業務委託化は、式場のブランド価値を高めるための戦略の一つであると考えるからです。

そこで今回のブログでは、「ダメな箱貸し・業務委託化」と、弊社の考える「理想的な箱貸し・業務委託化」をわけて整理したいと思います。

ダメな箱貸し化とは

箱貸しという言葉を聞くと、「単に持ち込みOKにすること」と考える方もいるのではないでしょうか。しかし、「単に持ち込みOK」とするだけでは、逆に式場のブランド価値が毀損され、多くの問題が生じることにもつながります。例えば、以下のような問題が生じます。

  • クリエイターやアイテムのセンスやクオリティ、品質がバラバラになる
  • オペレーションが混乱し、メチャクチャな結婚式が増える
  • 好き勝手に施設が使われることになり、結果的に多くのルールや制約が生じてしまう

このような問題が起こると、結婚式場のブランド価値が大きく低下し、結果として顧客満足度の低下にもつながります。つまりは、「単に持ち込みOK」とすればよいという、単純な問題ではないことがおわかりいただけると思います。

良い箱貸し化のポイント

これに対して弊社の考える「理想的な箱貸し」とは、結婚式場のブランド価値を維持・向上させる仕組みを構築することに主眼をおいています。具体的には以下のとおりです。

  • 社員は、式場のブランド価値向上を目指すブランドマネジメントに尽力あるいは特化する
  • 社員は、「箱の価値の最大化」と「ヒトのオペレーション構築」に集中する
  • 会場のコンセプトに合ったハイセンスなフリープランナーやクリエイターと提携する
  • 持ち込みを許可する際のルールを明確にし、統一感を保つ

これには、「単に持ち込みOK」、「誰でもOK」という考え方とは一線を画す、「この結婚式場の価値を高める」という視点が根底にあることが、おわかりいただけると思います。

ダメな業務委託化とは

また、業務委託を活用すれば、「人件費を変動費化できる」というメリットがあります。これは確かにメリットではあるのですが、これを過度に目的化してはいけないということも事実です。なぜかというと、これを安易に進めることで、以下の事象が発生するからです。

  • 人手不足を補うために、経験の浅いプランナーを大量に導入する
  • コスト削減だけを目的に、質よりも数を優先する
  • 業務の標準化を行わず、単にフリープランナーの数だけを増やす

この事象がすすむことで、新郎新婦に提供するサービスや結婚式自体のクオリティが著しく低下し、その結婚式場の評判にも悪影響を及ぼすことにつながっていきます。

なので、ウエディングプランナーの業務委託化を導入する際は、単に人手を増やすのではなく、プランナーの質を何よりも重視するという視点が重要になってきます。

良い業務委託化のポイント

では、「良い業務委託化」とは何でしょうか?それは、業務委託フリープランナーの選定を重視するということです。以下のポイントが重要となります。

  • 結婚式場のもつ「箱の価値」と「顧客価値」を高めることのできるフリープランナーのみと契約する
  • 一定のスキルや経験を持つプランナーを厳選する
  • 業務標準化を行い、一定スキル以上をもつプランナーが仕事をしやすい環境を構築する

ここで大切な観点は、「ウエディングプランナーの業務委託化」を、単なるコスト削減策として考えるのではなく、その結婚式場の競争力を高める手段として活用するということです。

まとめ:「良い箱貸し×業務委託化」のポイント

項目ダメな例成功する例
箱貸し化単に持ち込みOKにするだけ社員は「箱の価値最大化」に努める
業務委託化人手不足の穴埋めやコスト削減だけが目的フリープランナーは、「顧客価値最大化」に努める

おわりに

ここまでみてきたように、「箱貸し」や「業務委託化」は、今後の結婚式場の経営を柔軟にし、顧客トレンドにも対応していくためには必須の手段となります。また、「人件費を変動費化できる」という意味においては、固定費圧縮にもつながる経営が可能となるメリットもあります。

しかし、今まで述べてきたように、単にそれらを導入するだけでは、クオリティやブランド価値が損なわれるというリスクも出てきます。

なので大切なのは、「何でも誰でもOK」にするということではなく、「箱の価値と顧客価値を高めることのできる人材と提携する」という視点を持つことです。箱貸しや業務委託を成功させるためには、コスト管理以上にこの「ブランド管理」が重要となります。

今回紹介したポイントを参考に、自社のブランドを守りながら柔軟な経営戦略を考える参考になさってください!

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