新着情報

購買行動の分析と結婚式場のマーケティング

はじめに

結婚式場における集客から成約に至るプロセスでは、従来の「新郎新婦目線」だけのマーケティングでは不十分です。結婚式というのは以下のように特殊な性質をもっているからです。

結婚式場を探す主体である「探索者」は新郎新婦であるケースや紹介カウンター、あるいは親や友人といった場合もあり、「購買者」=新郎新婦である一方、「支払者」は新郎新婦や親、「利用者」は親を含む参列者全員と新郎新婦であるという多様かつ複雑な性質をもっているということです。

すなわち、購買段階におけるアクターがそれぞれ異なるケースが多いといった特性をもっています。なので、購買行動に直接影響を与えるのは、「購買者」である新郎新婦であることはもちろんなのですが、「今ここで申し込まないと」と思わせる動機付けにおいては、それらの各アクター目線での訴求がいかに成功するかという視点が鍵を握ることにもなります。

そこで本ブログでは、4Aフレームワークショッパーマーケティングを活用し、この複雑な意思決定プロセスを整理し、効果的なアプローチを提案したいと思います!

ショッパーマーケティングがなぜ必要なのか?

結婚式場の購買行動は、他業界以上に「購買者」と「利用者」の視点が分かれる特性を持っています。新郎新婦が「購買者」である一方、実際の「利用者」には新郎新婦だけでなく、親やゲストも含まれます。この多様な視点を無視して、新郎新婦目線だけに偏った従来のマーケティング手法では、購買行動の重要な要素を見逃す可能性が高いといえます。

さらに、結婚式場業界は「比較」が顕著に行われる市場です。複数の式場を見学した後、他の選択肢と比較検討されることが常態化しており、「今ここで申し込む理由」を明確に提示できなければ契約には至りません。この点で、現場で購買動機を具体的に引き出すショッパーマーケティングの視点が極めて重要になります。

ショッパーマーケティングの定義

ショッパーマーケティングとは、購買者の行動を深く理解し、「現場」で購買意欲を高め、購買行動へとつなげるマーケティング活動を指します。この活動では、購買者のインサイト(内面の心理)を深掘りし、購買に至る障壁を取り除くとともに、「今ここで買いたい」と思わせる体験を設計することに重きを置きます。

ショッパーマーケティングの必要性と4Aフレームワークの関係

ショッパーマーケティングが結婚式場のマーケティングにおいて必要である理由は、4Aフレームワークと密接に関連しています。このフレームワークは、購買行動を「知名可能性」「接近可能性」「購買可能性」「受容可能性」の4つに分解し、それぞれの段階で顧客の心理や行動に影響を与える要因を明確にします。

4Aフレームワークの説明

4Aフレームワークは、顧客が市場で果たす4つの機能(探索者、購買者、支払者、使用者)を基に、顧客の視点を「知名可能性」「接近可能性」「購買可能性」「受容可能性」の4つに分解して考えるマーケティングツールです。このフレームワークを活用することで、結婚式場の集客から成約に至るまでの顧客行動を論理的に分析し、それぞれの段階で顧客に訴求すべきポイントを明確化できます。

  • 探索者と「知名可能性」:顧客が結婚式場を認知し、情報収集を行う段階。この段階では、ブランド認知や魅力的な情報発信が重要です。この顧客は新郎新婦に限らず、親や友人、紹介カウンターまでさまざまです。
  • 購買者と「接近可能性」:顧客が式場を訪問しやすいか、見学予約のハードルが低いかを考えます。特にスムーズな接触経路が成約の鍵を握ります。
  • 支払者と「購買可能性」:実際に支払う能力と意志を持つ顧客に対し、費用対効果や価格の納得感を提供することが大切です。この顧客の対象も、新郎新婦に限らず、親であることも多いです。なので親に向けたマーケティングや接客の矢印が必須です。
  • 使用者と「受容可能性」:提案された内容が新郎新婦やゲストを含む利用者にどれだけ受け入れられるかを検討します。すなわち、結婚式当日のゲスト満足度を高める要素を、新規接客のなかでいかに訴求できるかが重要なポイントです。

このフレームワークを結婚式場のマーケティングや現場での接客に活用することで、顧客の行動変化や意思決定を支援し、成約率向上に貢献できます。

具体策としてのショッパーマーケティング

  1. 見学時における必要性と緊急性の演出
    見学時に「今ここで申し込まないと」と思わせる仕掛けを導入。よく行われる手法として、日程の埋まり具合を提示する、当日予約特典を用意するなどが一般的に知られていますが、それだけでは不十分のため、もう一段階踏み込んだ施策が必要となります。
  2. 探索者(親)へのアプローチ
    親世代が探索者の場合、親に響く「安心感」や「費用対効果」を伝える資料やツールを作成する。
  3. 使用者(ゲスト)視点の重視
    ゲスト満足度を高める具体例を明確に提示し、購買行動につなげる訴求が必須です。ここの深掘りが多いほど、購買行動へつながりやすくなります。

まとめ

結婚式場の集客と成約プロセスにおいて、「4Aフレームワーク」と「ショッパーマーケティング」は顧客行動を分解し、購買行動を促進するための有力なツールです。新郎新婦という購買者を中心に据えながらも、探索者、支払者、使用者という多様な視点を取り入れることで、より高い成約率を実現することができます

また、比較が顕著な業界特性を踏まえ、「今ここで申し込む」ための動機づけを強化することが成功の鍵となります。これらの手法の全体像やより具体的な活用方法に関しては、個々の式場に最適化した施策が必要となってきますが、取り組むべき価値は大いにあるといえます。ぜひこうした視点を取り入れ、現場の接客力やマーケティング戦略をさらに進化させてください!

こちらもおすすめ


一覧を見る