ブライダル業界の人材不足解消!企業理念と従業員満足が鍵

はじめに
ブライダル業界は、人生の晴れ舞台を演出する、華やかでやりがいのある仕事です。しかし、近年、深刻な人材不足に悩まされているという現実があります。
先日、フリープランナー志望者の方と面談した際、「ブライダル業界は人手不足ではない」という意外な意見をいただきました。 その方の経験から、企業理念と従業員満足度が人材定着に大きく貢献しているということに気づかされました。
そこで、本ブログでは、ブライダル業界の人材不足の現状をデータで示し、企業理念の重要性、従業員満足度を高めるための具体的な方法、そして、それらが人材定着率向上にどう繋がるのかについて解説していきます。
ブライダル業界で働く方、これから働こうと考えている方、そして、ブライダル企業の経営者や人事担当者の方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。
ブライダル業界は人手不足なのか!?
先日、フリープランナー志望者の方と面談を行いました。 その中で、ブライダル業界の人材不足について質問したところ、意外な答えが返ってきました。
「ブライダル業界は人手不足だと思いません。」
彼女は前職のブライダル企業で、離職率が非常に低かったため、人手不足を感じたことがなかったそうです。 その理由は、企業理念を重視した採用選考と、徹底した顧客主義に基づいた接客サービスでした。
しかし、実際のブライダル業界は深刻な人材不足に陥っています。
厚生労働省の「令和3年度 職業安定業務統計」によると、専門サービス業における有効求人倍率は1.58倍ですが、ブライダル業界を含む「その他の専門サービス業」では2.20倍と、より深刻な人材不足となっています。
また、業界団体である日本ブライダル文化振興協会の調査によると、ブライダル企業の約7割が人材不足を感じており、その理由として「賃金が低い」「労働時間が長い」「結婚や出産で離職する女性が多い」などが挙げられています。
これらのデータからもわかるように、ブライダル業界は人材不足が深刻化しており、多くの企業が人材確保に苦労しています。
離職率を低める=人材定着率を高める鍵
では、なぜ彼女の企業は人材定着率が高かったのでしょうか?
それは、企業理念を共有し、共感できる人材を採用し、徹底した顧客主義を貫くことで、従業員のエンゲージメントを高めていたからだと考えられます。
従業員一人ひとりが、企業理念に共感し、誇りを持って働ける環境を作ることは、人材定着率向上に大きく貢献すると言えるでしょう。
人材不足解消の鍵は、理念浸透と従業員満足にあり!
今回の面談を通して、改めて企業理念の重要性と、従業員満足度の必要性を感じました。
企業理念とは?
企業理念とは、企業が社会に対して果たすべき役割や存在意義、目指すべき方向性を示したものです。
現代における企業理念
現代において求められる企業理念とは、単なる利益追求だけでなく、従業員満足度、顧客満足度、そして社会の幸福を追求するものであるのがよいとされています。以下の図を参照ください。

上の図は、現在の最先端のマーケティングである「ソーシャル・マーケティング」の図ですが、この観点からも、従来型の「企業の利益」と「顧客満足」を基盤としたピラミッド構造ではなく、最上部に「社会の幸福=社会利益」を追求することが重要だと考えられています。
そして顧客は、その商品やサービスを購入することで「自己実現」という価値を享受し、満足や感動を得ることができるとされています。
これは従業員満足に当てはめても同様で、働くことを通じて「自己実現」を感じられるような、本質的な価値を提供することが企業には求められてるのではないでしょうか。
従業員満足度を高める
すなわち、企業は「企業の利益」→「従業員満足」→「社会の幸福」を追求し、従業員はそこで働く体験を通じて「自己実現」という本質的価値を感じられる状態を目指すのがよいということです。 このような状態を実現できている企業は、離職率が低いのではないでしょうか。
下記の図は、「サービス・プロフィット・チェーンサイクル」という、顧客満足⇔収益⇔従業員満足の関係性を表したマーケティングの考え方です。顧客満足と従業員満足を別個のものとせず、チェーンのようにつながっているものととらえる考え方です。

インターナル・マーケティング
さらに、企業⇔顧客⇔従業員、それぞれの間で必要となる要素をマーケティング的に表したものが下図となります。ここからは、企業と従業員の関係性は、「インターナル・マーケティング」と定義されていることが読み取れます。
従業員満足度を高める施策が成功している企業は、インターナルマーケティングをエクスターナルマーケティング(顧客満足の追求)と同じレベルで重視しているということです。すなわち、社内の人に向けたマーケティングが長けている、成功しているということです。 こうした状態は、企業理念と従業員の働く体験価値がフィットしている状態ともいえます。

インタラクティブ・マーケティング
そして上の図にある従業員と顧客の関係性である「インタラクティブマーケティング」をさらに深堀りした考え方が下図となります。
ここからわかることは、最上位に顧客を位置づけ、その下に最前線で顧客との接点を持つ現場の従業員を置いているということです。

要は逆のピラミッドとなっているということで、この理由は、現場の従業員こそが「真実の瞬間」の体現者そのものだと考えられているからです。
注釈:「真実の瞬間」とは
サービス業界でよく使われる言葉で、従業員が顧客と接する最初の15秒ほどの時間を指します。 顧客は従業員の接客態度や店舗の状態などから企業全体の印象を評価するため、このわずかな時間でいかに好印象を与えられるかが、顧客満足の実現に重要なポイントとなります。
この言葉は、もともと闘牛の用語でしたが、1981年にスカンジナビア航空のCEOに就任したヤン・カールソン氏がビジネス用語として初めて使用しました。 赤字で苦しんでいた同社をたったの1年で立て直したカールソンは、「顧客と出会う最初の15秒で最大満足を提供せよ」という斬新な経営哲学を提唱しました。
人材の定着は、企業の成長を支える礎
さてここまで見てきたように、企業理念を浸透させ、従業員満足度を高めることは、人材の定着率向上に不可欠だということがわかったのではないでしょうか。
紹介予定派遣をはじめ、様々な採用手法を検討する際には、ぜひ今回の内容を参考に、自社の理念や社風とマッチする人材を見極めることを意識してみてください。
ブライダル業界が抱える人材不足という課題を克服し、業界全体がより一層発展していくことを願っています。
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