結婚式の「正解」と「最適解」

結婚式の正解とは何か
さて、唐突ですが、結婚式に「正解」はあるのでしょうか。
華やかな披露宴、厳かな神前式、アットホームなパーティー…
どれも素晴らしい結婚式のカタチですが、それが「唯一の正解」とは限りません。
結婚式は、新郎新婦、家族、ゲスト、それぞれの関係性や背景の中でカタチを変えていくものです。決められた型に当てはめるのではなく、お二人との対話を重ねながら、その人たちにとって最もふさわしいカタチを見つけることがウエディングプランナーの大切な役割だと思います。
形式にとらわれないという考え方
例えば挙式スタイルも人により選択肢も無数にあり、また選ぶ宗教などの形態も様々です。
いくつか例を挙げて考えてみます。まずは仏教からいきましょうか。宗派問わず、唱えられることの多い般若心経のなかに、「色即是空、空即是色(しきそくぜくう、くうそくぜしき)」という言葉があります。これは、目に見えるカタチあるもの(色)は、実体を持たず、絶えず変わっていくという考え方です。
結婚式もまた、あらかじめ決められたカタチがあるわけではなく、新郎新婦やゲストの想い、家族との関係、当日までのプロセスを経て、本当にふさわしいカタチが少しずつ見えてくるものではないでしょうか。
またキリスト教では、「律法(決まり)よりも、心の在り方が大切である」と説いています。結婚式もまた、形式にとらわれるのではなく、新郎新婦が本当に大切にしたいことやその気持ちを大事にするということが本質です。
イスラム教においては、結婚は「ニカーフ」という宣言を経て成立しますが、その具体的な方法は地域や文化によって異なります。
神道においても、「結び(むすび)」という考えがあり、結婚とは単なる契約ではなく、人と人、自然と人とのつながりのなかで形づくられるもの であるとされています。
これらの考え方に共通することは、「結婚式のカタチに決まったものはない、人の数だけカタチが存在する」ということではないでしょうか。
1ミリを超える、超えない
結婚式のプロデュースにおいては、「1ミリの差」が大きな違いを生むことがあります。
あともう1ミリ踏み込むことで、より深い想いを引き出せることもあるでしょう。しかし、新郎新婦の背景や育ってきた環境などにより、その1ミリは踏み込んではいけない領域かもしれません。
ウエディングプランナーの仕事はその、「1ミリを超えるべきか、超えないべきか」を見極めること だと思います。
「このままでも十分に良い結婚式になる」と思ったときに、あえてもう1ミリ踏み込むことで、新郎新婦がまだ言葉にできていない想いをすくい上げることができるかもしれません。
しかし一方で、「この1ミリは超えないほうがいい」という場面もあります。結婚式は、新郎新婦だけのものではなく、家族やゲストの想いが交差する場でもあります。「1ミリを超えること」に意識が向きすぎると、本当に大切にするべき想いを見失うこともあるのです。
そのバランスを判断することこそ、ウエディングプランナーの本質的な役割 ではないでしょうか。
結婚式の本質とは
この観点にたったときに重要な気づきがあります。それは、結婚式のプロデュースというのは、その人たちにとって「最も自然で、心地よいカタチ」を見つけるということです。それは「最適解」ともいえるかもしれません。つまり、「正解」ではないということです。
逆説的ですが、「正解」ではないし、「正解」はないからこそ、「結婚式にカタチはない」ということです。そしてより逆説的で重要なことは、「結婚式には実は決まったカタチがない」ということと、「カタチがないものをカタチにするのが結婚式」ということです。この二つは一見、矛盾するようでいて、実はその本質においては同じことだといえます。
結婚式に正解はなく、あるのは 「最適なカタチ」 ということで、それにすら「絶対的なカタチ」はないということが本質ということです。それを見極め、介在していくことこそが、ウエディングプランナーの真の役割ということです。
おわりに
本日は、とても内面的且つ哲学的な内容の投稿となりましたが、ウエディングプランナーの仕事の真骨頂は実は、こうした思索と探求だといえます。言い換えれば、それこそが「クリエイティブ」ということです。
まるで般若心経の「空(くう)」のように、固定化された実体=カタチはなく、絶えずカタチを変えながら、少しずつ最適なカタチをなしていく…
ウエディングプランナーは、そのサポートのためにこそ存在しているといえます。多くのウエディングプランナーの方が、このことに自覚的であり、よりクリエイティブな仕事をしていただきたいなと切に願います。
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本当に素晴らしい結婚式には「筋のよいコンセプト」があります。
ただコンセプトメイクの前に、セルフカウンセリングが必要です。
結婚式をあげる理由、すなわち目的とも言い換えられますが、
それらを突き詰めることがまずは重要です。
プランナーの軸としてまずは、
「プランナー目線」、次に「新郎新婦目線」、最後に「ゲスト目線」のセルフカウンセリングが必要です。
今回はその概要を簡単にお伝えしますので、是非実践してみてください。