本社が考えた施策の結果と評価が、現場に問われるという話

はじめに
とあるブライダル企業の転職サイトの口コミを見ていると、以下のようなコメントがありました。
「新しいことに挑戦する企業ではある。ただ、新しい事をみんなで考えよう!というものの、現場のスタッフのことを考えた施策ではなく、基本的には本社がどんどん新しいことを進めて、現場は逼迫する一方」
一見前向きな評価から始まるこの口コミですが、読み進めると、本社と現場の間にある温度差やギャップが浮き彫りになっていきます。 今回は、このような「新しいことに挑戦する企業」が、なぜ現場を疲弊させてしまうのか。その背景について考えてみたいと思います。
Index
⚫︎トップダウン文化が強すぎると何が起こるか
「挑戦する企業」というのは、時代の変化に敏感で、革新を続ける姿勢を持った企業とも言えます。
ただし、その挑戦が本社主導で一方的に進められる場合、現場は“やらされ感”を抱き、疲弊していくことが少なくありません。
「新しいことをみんなで考えよう」というスローガンがあっても、実際には本社が決めたことを現場に下ろしてくるだけになっているとすれば、それはトップダウン型の限界と言えるでしょう。
特に日々の業務で手一杯の現場にとって、準備も支援もないまま新施策だけが押し寄せる状況は、心理的にも物理的にも大きな負担になります。
⚫︎フィードバックループが機能していない
こうした事態が起きる背景には、「双方向のコミュニケーションの不在」があります。
本来であれば、本社が施策を考える際には、現場からの声や実態を十分に汲み取り、それを反映させる必要があります。
しかし、それができていないと、本社はどんどん新しい取り組みを進めていく一方で、現場は「現実を見ていない」と感じるようになります。このような一方通行の構造が続けば、現場の納得感やモチベーションは次第に低下していきます。
⚫︎評価制度が非対称だと温度差は広がる
もう一つ注目すべきは、評価制度の設計です。
たとえば本社は「新しい施策を立ち上げた」という事実自体が評価される一方、現場は「その施策をどう成果に結びつけたか」で評価されるとしたら、そこには明らかな非対称性が生まれます。
すると、本社はリスクを取ってでも積極的に挑戦しようとする一方、現場はリスクを避けて保守的にならざるを得ません。このような価値観のズレが、組織の歪みを加速させてしまうのです。
⚫︎“現場任せ”の構造的問題
特にブライダル業界のように感情労働が多く、日々の接客や施行で忙殺される業種では、「現場で考える余裕がない」という問題も大きいです。
そうした状況下で「現場で考えて動け」というのは、理想論でしかなくなってしまいます。
本社と現場のリソースや時間的余裕にギャップがある場合、施策を現場に委ねるのではなく、むしろ丁寧な伴走と支援が求められるはずです。
⚫︎本当の意味で“みんなで考える”には
では、どうすればこうしたギャップを埋められるのでしょうか。いくつかのヒントを挙げてみます。
- 小さく試す文化をつくる
- いきなり全社で展開せず、まずは一部の現場で試験運用し、そこからの学びを活かして展開していくこと。
- 本社に現場出身者を配置する
- 実情を知る人が意思決定に関与することで、施策の現実味が大きく変わります。
- 現場の意見を“吸い上げる”のではなく、“引き出す”
- 工夫を 意見を聞くだけでなく、「意見を出しやすい」空気をつくることも重要です。
⚫︎挑戦と結果責任は、本社と現場の共作であるべき
企業が新しいことに挑戦するのは素晴らしいことです。
しかし、その挑戦が「現場にとってはただの負担」となってしまえば、やがては現場の疲弊と離職につながります。「みんなで考えよう」という言葉が本当に機能するためには、組織の仕組みそのものを見直す必要があるのかもしれません。
挑戦とは、現場の理解と納得をともなって、初めて文化として根づくのではないでしょうか。ぜひご参考になさってください!
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